#2
モフはいつから魔法が使えるようになったんだろう。
いや、モフは元々は“あの”伝説の泉の精霊だったわけだし、魔法くらいで驚いてたら可笑しいよな?
まぁ、モフはモフ、僕は僕!
(あ、僕なんかカッコいいこと言ってない??)
この時はまだ、モフのことを侮っていたのかもしれない。
ーーー
「え?あれ?僕のHP回復してる!!」
「モフ」
(え?お前、まさか……“モフホー”以外の呪文も使えたりするわけ?魔法使いカッコよ!)
しかし、モフは相変わらず気まぐれで、たまに回復呪文を唱えてくれるくらい……。
おまけにモフのMPは歪。ちょっとしたことで、直ぐふて寝するようになっていた。
いつでも、どこでも、どんな時も……。
「モフ、頼む、回復魔法を!」
「・・・・・・」
(ね、寝てる!!誰か―!!)
こんなことはしょっちゅうだ。
見た目はワンコみたいなのに、中身はネコ?そこも最近は可愛いと思うけどさ。
「さて、食事にするか。」
「モフ~♪」
モフはめちゃくちゃ偏食気味?ムゲンソウの卵焼きは好きなのに、ムゲンソウの目玉焼きは食べない。ムゲンソウ茶を飲みながら、ムゲンソウ定食と言う感じの手弁当を食す。
最近、妻は、お菓子作りにもハマっている。ムゲンソウクッキーはお手の物……問題は、それ以外の材料をあまり使ってくれないことだ。でもさ、住宅ローンがあと398回もあると流石に何も言えない……。
この辺はモフも同意みたい。
モフと僕はムゲンソウクッキーをかじって、そっと目を伏せた。
つづく。