今日もヘッジホッグは平和だった……?
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ヘッジホッグ食堂にて――
俺たちはリズに呼ばれ、食堂に集まっていた。
「新作の宇宙食を開発したぞ!」
そういってリズはバー状の固形物を机に広げる。
「フードロボットで十分じゃないのか?」
「なんか怪しいんだけど……」
「おいしいの?」
「食用に適さない物質の反応があります」
「安心したまえ!人体に悪影響がないことは証明済みだ!ぜひ味わってほしい」
「なんでまた宇宙食なんか……」
「天啓だ!ささ、食べてみてくれ」
「かなり不安なんだが……」
俺たちは恐る恐るリズ特製宇宙食を口にする。
「味は……悪くないね」
「おいしい!」
「意外といけるな」
「ふふふ……お楽しみはこれからだ!」
「え?」
「あれ?なんかポカポカしてきたんだけど」
「あははははは!たのしい!」
「なんだ?体が光ってきたぞ!?」
俺の体が七色に光り始める。
「成功だ!ふふふ、このまま経過を観察させてもらうぞ」
「おい!なに仕込んだ!」
「マリナ君にはアルコールを、キョウカ君にはなぜか楽しくなる成分を、コウキには人体が七色に光る薬剤を混ぜてみた。なに、人体に影響はない。楽しんでくれたまえ」
「きゃははは!おにいちゃん、ひかってる~!」
キョウカがぴょんぴょん跳ねながら笑う。
「楽しくなるとか、絶対やばいもん使ってるだろ!」
「安心してくれ。人体に悪影響はない。安心安全のリズ特製品だ」
「おい、俺は何でこんなことに……!」
俺の体が七色に光ったまま、食堂の床を歩くと、光の反射で非常に眩しい。
「ふはは!マリナ君、君はアルコールが大好きだろう?これでいつでも簡単に酔えるぞ!」
「私はお酒が好きなだけで、アルコールが好きなわけじゃ……いや好きだけどさぁ」
マリナがアルコール効果でちょっと赤くなり、机の上の瓶と一緒にふらふら揺れる。
「アイカ君もやるかい?」
リズがにやりと笑う。
「私には必要ありません。……あっ、でも艦長が光る様子は観察対象として面白いです」
アイカは少し微笑み、興味津々に眺めている。
「笑ってんじゃない!」
「すみません。艦長、眩しいので少し離れてもらってもいいですか?」
「なんで俺だけ七色なんだ……!」
「ひかってる~!」
キョウカが触ろうとするので、俺は必死に逃げる。
「ふはは!反応速度も観察せねばならぬ!」
リズが笑いながらデータパッドを打つ。
そのうち、光の効果で食堂全体がハチャメチャな雰囲気に。
机の上の食器が七色の反射でキラキラし、マリナは酔っぱらって転げ落ち、キョウカは光の下で笑いながらくるくる回転。
「これぞ新時代の宇宙食……!」
リズは得意満面。
「……誰か、こいつを止めてくれ……」
俺は七色に光りながら嘆いた。
「あははは!コウキ光ってる~!ねえ、どんな感じ?どんな感じ?」
マリナが完全に酔っぱらってウザ絡みしてくる。
「最悪だよ」
「おにいちゃんキラキラ~!あははははは!」
そういってキョウカは俺の肩に飛び乗る。すると光が飛び跳ね、辺りに散らばる。
「なんだ!?」
「ほう、汗も光るようだな。想像以上だ……」
「本当に大丈夫なんだよな?」
「なに、数時間もしたら光も治まるさ。……多分」
「多分!?多分って言ったかお前!」
「人体に影響はないから大丈夫さ。……多分」
「また言ったな!本当に大丈夫だよな!?これ!」
「安心したまえ。悪影響はない。もしかしたら肌つやが良くなったり、肩こりがとれるかもしれないが、それくらいだ」
「光らなければ良いもんじゃねぇかよ!なぜ光らせた!」
「言っただろう。天啓だと」
アイカは無表情だが、口元だけ笑みを浮かべている。
「これが楽しいという感情ですね。興味深いです」
「なに感情無いキャラ演じてるんだよ!お前感情あるだろ!」
「ありません。AIですので」
「一人だけ楽しみやがって!」
食堂内は七色に光輝き、マリナとキョウカの笑い声と、リズの高笑いが騒がしく響いていた――
数時間後、リズは首に《私は艦長を光らせました》と書かれた看板をぶらさげ、正座させられていた。
「なぜだ、なぜこんな非道を……!」
「自業自得だ。反省しろ。まだ光が治まらないんだぞ、どうしてくれる」
マリナは酔いつぶれ、ダウンしている。
そしてキョウカは……
「つんつーん。あはははは!」
キョウカが笑いながらリズの足をつつく。
「ひっ!キョウカ君、やめたまえ!」
「あはははは!おもしろ~い!」
「もっとやっていいぞ」
「あはははは!つんつーん」
「ひぎっ!やめてくれ!」
リズの悲鳴が艦内に響き渡る。
今日もヘッジホッグは平和だった……?
翌朝。
「眩しくて眠れない……」
俺はまだ光り続け眠れず、リズへのお仕置きを考えるのだった……
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