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翌日のハプニング

 翌日、会社で早速課長が飛んできた。

「昨日お願いした書類、申し訳ないけど朝一で作り変えてくれ。君に渡した資料先々月のものだった。」

通りで、後輩の山田が、中身のない仕事だって言ってたわけだ。

先々月の資料まとめたって、しょうがないよね。『要らない資料は、すぐ捨てないからこんなことになるんだよ。』って言いたいけど、ここは、サラリーウーマン?我慢して、

「わかりました。何時までに仕上げればよいでしょうか?」

「今すぐに、お願いね。君なら、魔法で何とか出来るでしょ。」

「わかりました。」

こんなバカに、言い合いしても仕方ない。とにかく、短時間で作成するか。

頭の中に昨日の報告書のフォーマットが入ってるから、どこを修正すればよいか、頭の中で構築し、そのまま、修正に取り掛る。ジャスト10分。

すでに、会議に出ている課長に電話する。

「課長、できました。パソコンにデータ送りましたのでご確認願います。」

「何、会議の時に電話してきてるんだ。」そう言われて、いきなり電話を切られた。

『くそ、課長!』心の中で叫んだ。

声に出したら、周りの人間が告げ口するに決まっている。

 仕方が無いので、いつもの仕事に取り掛かる。

そして、課長の会議が終わる前に社外に逃走した。

「すみません。ちょっと、外回りしてきます。」

とりあえず、ここは、営業だから外出は自由にできる。それに、お得意様は、あの嫌な課長の下で頑張ってるのを知ってるから、皆さん優しい。

何か有っても、口裏を合わせてくれる。

私の仕事は、お取引様の要望を聞いていろんなものをアレンジしてお渡しする仕事だ。

やりがいもあるし、自分の能力も発揮出来る。

 一通りお得意様を回ったあたりで、課長からの電話が入った。

出るのをやめようかとも思ったが、後がうるさいので出ることにした。

「今、どこだ。すぐ戻って来れるか?」

「後、島田商会さんを回ってから、戻るところです。」

「島田商会さんか?じゃ、仕方ないな。終わったらすぐに戻って来い。」

今、戻ったら、13時。たぶんお昼も食べれずに会議でもされそうだった。

とりあえず、島田商会さんを使って、お昼だけは食べて帰るようにしよう。

課長も、うちの上得意の島田商会さん、しかも、島田商会の会長に嫌われてるのを知ってるから絶対に電話してこない。

電話してきたのが、課長だとわかると用件も聞かずに電話を切られる。

それだけでも、会社の社長にばれたら左遷間違いないのに、毎月私のおかげで実績が上がるから何とかなっている。

たまたま入った喫茶店で、ランチを食べていると、後輩の山田がやってきた。

「さくらさんもここでお昼ですか?」

「そうよ。」

「ここのランチ、安くておいしいですよね。」

「そうね。ここは、自分で払いなさいよ。」

「何か、機嫌悪そうですね。」

「昨日、山田に手伝ってもらって作った資料、先々月のデータだって。朝一、修正させられたよ。」

「どう転んでも、あの課長のことだから失敗は部下の所為にするんだから、しょうがないけど。」

「やっぱり、そうなんだ。データ古いなって思ったんだよね。」

「思ったんなら、言えよ。」

「すみません。話変わりますけど、先輩、今度2~3日お付き合いしてくれません?」

「なに。デート?」

「先輩とデートするもの好き居ませんよ。」

「じゃ、辞めた。」

「冗談ですって、昨日、パソコンで見たんですけど、ヨーロッパのお城100万円で買えるそうですよ。しかも、事前宿泊経験可って、ちょっと面白そうじゃないですか?」

「息抜きにいかがですか?」

「片道8時間で、飛行機代どうするんだよ。」

「それが、ただらしいですよ。」

「何か、いわくつきの物件らしくて、地元の人間が寄り付かなくて、で、遠く離れた日本人にしわ寄せもといチャンスが回ってきたということみたいですよ。」

「友達と行くんですけど、仲間は、多い方がいいと思って。みんなで出し合えば、お城のオーナーになれるかもしえませんよ。」

「先輩も、王女の気分を味わえるかもしれませんよ。」

「とりあえず、今晩お城の中の動画が見れるそうなので、後でURL送っておきますね。」

それから、二人で、ランチを掻き込んで会社に戻った。

案の定、課長は、答えの出ない会議をあ~だこうだ言って、夕方までやっていた。

昼も食べずに会社に戻っておなかをすかせて会議に出ている振りをしていると、ますますサドの本領を発揮、休憩も取らずに続けたことで優秀な課長になった気になって、元気に帰っていった。

多分朝の会議が、うまくいったのか、それとも見限られて仕事を回されなくなったのか?今日は、仕事を押し付けっれなかった。

仕方ない、今日は、早く帰って、山田からのURLをビールでものみながら見るかな。









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