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15話――Search and strike and destroy③

 翌夕、シェマバ。

 私たちはあてがわれた部屋で、一息をついていた。


「んあー、疲れたわねぇ」


 ここはレギオンホース伯爵家の屋敷の一室。他領の夜会に呼ばれたので、私たちの寝床はレギオンホース家の方で用意してくれていたのだ。


「それにしても、使用人がこれだけって言ったら滅茶苦茶驚かれたわね」


「普通は使用人十人、護衛が二十人ほど連れられてますからね。全部で四人じゃ、驚かれもしますよ」


 護衛兼使用人が全部で四名……いやこれでも、結構多い気がするんだけど。逆に十人も連れてきてどうするのよ。屋敷の掃除でも手伝わせるの?


「いやまぁ、使用人の数はそのまま貴族の力を表しているのと同義だからね。家の力を示すことは、夜会での存在感に繋がる。女神も覚えておいて損は無いよ」


 家の力、存在感ね。

 確かに抱えている使用人の数はそのまま財力や権力を示す分かりやすい指標。それを見せることで、貴族位だけでない差を見せつけられるわけか。

 私はなるほどと頷いて、ユウちゃんを見る。


「家の力、示せなかったのはちょっと悪手だったわね。次から気を付けるわ」


 私が反省していると、ユウちゃんがコーヒーを淹れながら「むしろ」と首を振った。


「さっきのは最低限の人数だ。それよりどれだけ多いかを皆競うものだけど――ここまで極端に少ないと、逆に驚かれるよ」


「あら、どうして?」


「単純な話さ。護衛二十人っていうのは、本来戦えない貴族を安全に他領まで送り届けるのに最低限必要な人数。使用人は、その護衛の世話も含めて十人はいる。使用人は削れても、護衛をそれ以下にするのはかなり難しいからね」


 道中、大した魔物にも野盗にも襲われなかった。だというのに、護衛が二十人も必要かしら。

 私が納得しないでいると、カーリーがちょっと呆れながら答えてくれる。


「一級の魔物を簡単に蹴り殺せるイザベル様には実感が薄いかもしれませんが、普通は三級の魔物でも騎士が五人~十人必要なんですよ」


「あ、そうなの。……だから少ないと凄いって思われるのね」


 どうも私の戦闘感覚と、一般には少しズレがあるらしい。

 であれば――


「それならやっぱり、他領も自分の所の一番の腕利きを連れてくるものじゃないの? 自領の警備が手薄になるってのはあるでしょうけど、数を連れてくるよりも強い人を連れて来た方が家の格を示すことになると思うんだけど」


「腕利きを集めて、それなんですよ。そもそも強い人は第一騎士団に入りますし、在野で冒険者をやってる人は二級以上だと騎士なんてやりたがりません」

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