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15話――Search and strike and destroy②

「それにしても、マングーは治安が良いと聞いていましたが……こんな事もあるのですね」


 ユウちゃんがそう声をかけると、村長は少し悔しそうに顔を上げた。


「治安が良いというのは本当じゃろうと思います。しかし流石にこんな辺鄙な村まで騎士団は見回りに来ませぬので」


「領地騎士団を解散したマータイサが言えることじゃないけれど、もうちょい頑張りなさいよ騎士団」


 私が言うと、カーリーがシチューを食べながら補足してくれる。


「いえ、マータイサはむしろ領地騎士団がほぼ無いので逆に僻地まで騎士団が見て回るんです。領地騎士団が多く強いところには第一、第二騎士団は最低限の人数しかおらず、領地騎士団の裁量を上回らないように国の騎士団は調整します」


 ざっくり言ってしまうと、第一騎士団が軍隊で、第二騎士団が警察。そしてこの手の僻地まで見回りに来るのは第二騎士団の役目だ。

 第一騎士団は冒険者や領地騎士団が相手に出来ない魔物や人を討伐するために出撃するので、基本的に領地内の通常犯罪などに対応するのは領地騎士団と第二騎士団だ。

 そして第二騎士団は、領地騎士団が充実している領地には力を割かず、逆に領地騎士団の実力が弱い……もしくは無いところには重点的に第二騎士団を置く。

 第二騎士団は国からお金をもらっているので、キッチリ国のルール通り働くけど……領地騎士団は領主がルールを決めて動く。


「だから連携が取れないんですよね、上手く。そのせいで領地内に穴が出来ます。そして……さっきのドルクとかいうのは元騎士団って言ってましたから、そのおかげで穴について知ってたんでしょう」


 カーリーがそう締める。


「狡猾な奴だったのね。……まぁ、今はあんなんだけど」


 私がドルクの方に目を向けると、彼は白目を剥いてよだれを垂らしながら呻いていた。


「あへへ、あへへ……」


「あー、壊れちゃいましたか。まぁいいです、えーっと、他に支配していた村は?」


「あへへ……ひ、東の方の……」


 レイラちゃんが完全に悪役なのよねぇ……。

 まぁでも、他の被害者の場所も分かったならいいわ。私は立ち上がり、背伸びをする。


「じゃあレイラちゃんから聞き出した情報をもとに、明日は被害に遭った村をまわって安心よーって言いに行きましょうか」


「なんと……そ、そこまでされるんですか」


 目を見開いて驚く、村長さん。私は笑みを作って、腕を組んだ。


「そりゃするわよ、なんせ慈善事業じゃないからね。――この辺の村は、梅取れるものね」


「はへ?」


 キョトンとした表情になる村長さん。カーリーとユウちゃんがやれやれと言わんばかりに首を振っているのが印象的だった。

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