15話――Search and strike and destroy①
「いやー、人助けはするモンねー」
「どっちが悪人かわからないほどだったけどね、女神」
というわけで数刻後。すっかり日も落ちたので、私達は村で一晩ご厄介になることになった。
ドルクとかいう野盗はぶちのめしたし、その残党も捕えた。面倒だったけれど、全員手足を折った上で縛っているので、逃げられることは無いだろう。
ボスのドルクだけは首を地上に出して埋まっているので、レイラちゃんに尋問を任せている。
「あの子、嬉々として拷問するわよね」
「いやー、レイラさんにとってアレは拷問じゃなくて実験ですからねー。今は神経をいじって、足の感覚が手にも作用する薬を調整しているらしいです」
曰く、例えば足をつねられたら手にも同じようにつねられた感覚が来るようになる薬とのこと。
何に使うのか分からないけど、まぁ彼女にとっては重要なんでしょう。
「いぎゃああああ!! も、もう話した! 話しただろう!? 頼む、もうやめ、やめてくれぇあ!!」
「うるさいですね、まだ情報のすり合わせが終わってないので駄目です。じゃあ次はこの薬品を目に垂らして経過を見ますね。その間に貴方の部下から情報を聞いておくので」
「あああああああ!! あああああ!!」
……あの叫び声は村の人達に聞こえないようにしておいたほうが良いかしら。
まぁでも人体実験が出来てイキイキとしているレイラちゃんに、加減しろとは言いづらいしね。
「姉ちゃんあれだなー! 女なのに声低いな!」
「いや、オレは男で……」
マリンは何故かちびっこ達に絡まれている。完全に女の子と思われているようだけど……あの見た目なら仕方ないわね。
さっきから何度か視線で助けを求められているけど、あえてスルーしつつ料理を楽しむ。
「自分で作らないご飯は美味しいですね」
「お母さんみたいなこと言うわね、カーリー」
我が館の家事を一手に担うカーリーは、シチューらしきものを食べながらホッと一息をつく。
最近は人手も増えてきているけど、基本的には炊事掃除洗濯は彼女の役目だものね。
「お母さんみたいって、やですねイザベル様。お母さんが家事をやるわけないじゃないですか」
朗らかに笑うカーリー。私とユウちゃんはそっと彼女を抱きしめる。
「え、お二人ともどうしたんですか……あの……」
「ごめんね、私も家事手伝うから……」
「たまにはお外にデートに行こう、カーリーちゃん。美味しいお菓子を買ってあげるから」
二人でヨシヨシしていると、向こうの方から飲み物を持って村長がやってきた。
腰は曲がっているけど、カクシャクとしたお婆さんだ。
「本日はまことにありがとうございました。この村を救っていただいて……!」
深々とお礼される。私達は背筋を伸ばして、彼女の礼を受け取った。
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