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14話――王都よりも遠い場所②

「いい噂は聞かないが、一方でマングー自体は栄えた領地。その経営手腕は見習うべき物があるかもしれないね」


 ユウちゃんの言う通り、あの領地は借金まみれの我がクソザコ領地と違って黒字経営。治安もそんなに悪くないと聞いている。

 しかも貴族の中にはあれのシンパが結構いて、噂によればレギオンホース家に心酔する人間は十や二十じゃ聞かないとか。

 名実ともにトップクラスの格を持つ家と言えるわね。


「と言っても、今回私はちゃんとビジネスのことも考えて来ているのよ。――というわけで、うちの領地の問題点が一つ。外貨を稼ぐ手段が殆ど無いのよ」


「外貨を?」


 ユウちゃんが首を傾げる。我が国の通貨であるミラは、王都のあるウキョートで発行されている。

 それが血液のように国に広がっていくことで貨幣経済は成り立つわけだけど、ミラがウキョートから貰えるってわけじゃない。あくまで、ミラの数は一定。そのパイを奪いあってどの領地も切磋琢磨している。


「商会単位なら、他領からミラを稼いでいる例はあるわ。でも多くは、マータイサの中でグルグルとミラが回ってる。それじゃあうちの領地が成長しない」


 他領から稼げないんじゃ、いつまで経っても……経済は停滞する。経済を回すお金は、他から持ってこないといけないわ。

 このジレンマは……領地内で領主の権限が大きいこの国ならではの物だけどね。


「でもどうするんだい? 女神。マータイサで他領に輸出出来るものといえば、ロッコリーや……マヤサのお茶かな。あれの輸出を拡大するのかい?」


「それは私たちが出来ないでしょ。そこの利益は商会にとられている。あくまで私たち――つまり領主が主導で出来る物が無いと商会どもと戦えないのよ」


 経済っていうのは、金と金のバトル。互角で初めて、発言権を持てる。


「私たちは行政を握っている。でも金があれば、行政に口出しが出来るのよ。――貸金業法、決めるんなら……今金を持ってる、経済を回してる連中とがっぷりよつで戦えないと同じ土俵に立ってもらえない」


 簡単に言ってしまえば『じゃあ明日までにお金全部返して。じゃないと二度とお金貸さないし、なんなら別に出てって良いんだよこの領地から』なんて言われたら……今の私たちじゃ太刀打ちできない。

 なにせ、その商会どもから税金を貰い、金を借りて……私たちは領地を運営しているのだから。


「そんな簡単に行きますかね。色んな物が絡み合ってるのが経済……なんですよね。というかその人たちもマータイサが破綻したら困るんじゃないですか?」


 カーリーの言っていることも正しい。彼らだって簡単に拠点を移せない。マータイサが無くなれば困る。

 だから、彼らは交渉するのだ。

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