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13話――休憩・ハニー⑨

 私たちが声を揃えて驚くと、レイラちゃんはちょっと楽しそうに分析結果をホワイトボードに張り出す。


「これを見ていただくと分かるんですけど、そもそも骨格からして通常の人類と一線を画しているんですよね。身体性能そのものが、たぶんさっきの人造人間が百年くらい交配を繰り返して辿り着くようなはるか先にいます」


 ……なんていうか、通常の科学力でもレイラちゃんに完敗してそうなのに、素の身体能力もイザベルに負けてるのか……『組織』、悪の組織のくせしてしょぼくない?


「イザベルさんが意識して身体に魔力を流せるようになれば、本当にドラゴンと殴り合いが出来るようになると思います。今はまだゴブリンキングと殴り合える程度ですけど」


「人間って、超級の冒険者でも魔道具や魔法の補助ありでやっとゴブリンキングとかと殴り合えるんだけどね。女神は……規格外だね」


 嬉しそうにつぶやくユウちゃん。なるほど、原作最強の身体能力の秘密は……ドラゴンの肉体だったわけね。

 レイラちゃんはその後も筋肉の組成なんかについて話始めているけど、私たちはそれをスルーして別の話を始める。


「レイラちゃんの講義は結構、タメになるね。後で個人的に聞きに行こうかな」


「魔法だけじゃなくて科学、薬学にもなんでも精通しているので、取っ掛かりの知識さえあれば凄く勉強になりますよ」


「オレとか学が無いんで、正直話が半分も分からないんすけど……姐さんと一緒に、お勉強した方が良いッスかね」


「わ、私をおバカ枠に入れないでくれる!? 経済学とか政治学ならレイラちゃんより詳しいわよ! あと金融も!」


 私文卒だからと言って、決して頭が悪いわけでは無い。ただ理系の知識が一切無いことと、この世界の一般常識について疎いだけだ。


「まぁ、それは置いておいてですね。最後にボクからお伝えしないといけないことがあるんですが……イザベル様、今って殆どの会食を断っていることは覚えてらっしゃいますよね?」


 私の魂の叫びはスルーされたが、カーリーがちょっと真剣な表情になる。


「知ってるわよ、私のテーブルマナーとかが完璧になるまでは貴族らしいことは無しにしましょうってあんたが言ったんじゃない」


「確かに、貴族の淑女としては……足を組むのは止めた方がいいかもね、女神」


 苦笑するユウちゃん。あんたも組んでるじゃない! と言いたいところだけど、これで完璧な淑女ムーブをされたら立ち直れないからグッと我慢。


「はい、そうです。ただどうしても断ることは出来ない方がお二人いるという話はしましたね?」


「もちろん、覚えてるわ。国王陛下ともう一人……って、まさか」


 私が言い終わる前に、頷いたカーリーは懐からそっと便箋を取り出した。

 オレンジ色のレンゲツツジがあしらわれた、品の良い便箋。王家の紋章は桜……つまり、この封筒は。


「夕食会の、招待状です」


 室内に緊張が走る。

 私は震える指で、その便箋を開くのであった。




「……って、あれ? 皆さん、聞いてません?」


「「「まだ話してたの!?」」」 

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