10話――ゴブリンマーダー④
ゴブリンキングの破片が集まって再生するのだろうかと思っていたら、一番大きい破片が魔力を集めて大きくなっていく。
粉微塵になったら最大サイズの破片が再生する仕組みなのね。
「あ、そうだ。カーリー、テキトーなところでレイラちゃんと交代してきて」
あの子の能力の方が拷問に向いてそうだしーーという本音を隠して提案するも、渋い顔をするカーリー。
「分かりましたけど、この数捌けるんですかね彼女は!」
そう言いながら、彼女は爆発のような物を起こしてゴブリンを薙ぎ払う。
マータイサで一番の魔法使いは、雑魚の殲滅もお手の物らしい。
「なんか怪しい薬でもばらまいてゴブリン殺すんじゃない?」
「そんなことしませんよ、薬がもったいないですし面倒です」
背後からレイラちゃんの声。振り返ると、そこにはゴブリンを魔法で圧殺しまくってるレイラちゃんがいた。
「ってなんでいるの!? 彼女らの護衛頼んだじゃない!」
「えー? いや普通に外で魔物除けの結界張って、中に彼女らを押し込んだから大丈夫だろうと思いまして」
呑気なことを言うレイラちゃん。
「わたしがいてもいなくても効果は変わらないですし、結界に何かあれば気づくので問題ないかと」
のんびりと欠伸をしたレイラちゃんは「それに外には2級冒険者もいますしね」と言ってゴブリンたちをぐちゃぐちゃに潰していく。
彼女の言っていることは合理的なんだろうけど、なんとなく腑に落ちないのは私が文系だからだろうか。
「ガガガガガガ!」
ゴブリンキングが再生を終えたらしい。立ち上がり、カーリーの持つ剣に向かって突進する。
私はゴブリンキングの足を払い、宙に浮いたところで上半身と下半身を真っ二つにした。
「ゴ、ガ……」
崩れ落ちるゴブリンキング。脳というか頭部は残しておかなきゃ、痛みを感じられないから気をつけないとね。
「再生する……いいですねー」
ゴブリンを炎で焼いたり水で流したりしながらうっとりした表情で呟くレイラちゃん。
彼女はこちらへ駆け寄ると、私の前で両拳を握って目をキラキラと輝かせた。
「いくらでも実験出来るってことですよね!? 死なない被検体なんて最高です! このままこのダンジョンに縛り付けて、実験台にしましょう!」
「目が怖いのよあんた!!」
「大丈夫です、この実験は未来の役に立ちますから!!」
「だとしても目を輝かせて言う内容じゃないわよ!」
「二人共遊んでないでゴブリンの相手してください! まだ割りといるんですから! ほら、レイラさんはゴブリンの相手! イザベル様はゴブリンキングの拷問!」
カーリーに怒られてしまった。いや別に遊んでたわけじゃないんだけど……。
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