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9話――ワタシたち花のメガミ組⑧

 ああ、町長のとこの娘の幼馴染は……この魔法使いの子だったのね。

 仲間に押さえつけられた挙句、目の前では自分が助けるはずだった子を凌辱される……。確かにやってられないわね。

 私はため息をついて、首を振った。


「それならせめて、聖女の魔法くらい浴びていきなさいな。後で私らが手配するし」


「……どこの誰だか知らないがありがたい」


 頭を下げる二人。この三人も……なかなか骨のある冒険者ね。

 私は少しだけ脳内でソロバンをはじく。上手くいけば、この子らを雇うことでイイ感じに――


「僕は2級冒険者ユウ・リリックスワイル.。僕の女神、お名前を聞いても?」


 ――と、私の前に立ったのは執事(予定)の子。ユウちゃんって言うのね。

 私は少しシャンと背筋を伸ばし、彼女を見上げて顎を軽くつかんで持ち上げた。


「リリックスワイルって言ったら、マングに小さい領地を持ってる男爵家じゃない。それなのに、私の顔を知らないとは言わせないわよ?」


 最初はきょとんとするユウちゃん。しかしすぐに驚いた顔になると、まるで騎士かと見まごうほど流麗な動作でひざまずいてお辞儀した。


「これはこれは……まさか本当にイザベル・アザレア子爵だとは思いませんでした。失敬いたしました」


「はぁ!? どう見てもあたしらより強いバケモンが、あの深層の令嬢で有名なイザベル様!?」


「人間っていうよりもオーガとドラゴンの相の子って言われた方が信じられるようなバイオレンス女子が、白百合と呼ばれていたイザベル様!?」


「アンタたち!? ゴブリンの代わりに蹴りをくれてやっても構わないのよ!?」


 私が蹴る動作をすると、二人が素早く土下座の体勢に移行する。

 というかまだ化けの皮が剥がれる前だから、無茶苦茶可憐な印象ね……。


「まったく、私のことを何だと思っているのかしら。こんなにも華奢だっていうのに」


 人類最高峰の肉体を持っているけれど、見た目は割と細いというのに。

 ユウちゃんは私を見ると、微笑んで手の甲にキスしてきた。


「僕の女神、助けてくれてありがとう。この身は今後、君のために使うことを誓おう」


 えらくキザな仕草。普通の女の子だったらこの時点でくらっと来ちゃうでしょうね。

 しかし私は前世で二十六年、今世で(精神年齢的に)六年生きた女。この程度の王子様ムーブじゃまったく意に介さないわ。

 というわけで私は逆に彼女の手を引きよせ、顎クイして額を合わせる。


「いいじゃない。じゃあ明日から、うちで執事をやりなさい。ちょうど人手が足らなかったのよ」


「……僕に執事? いいセンスだね。いいよ、僕の女神」


 一瞬驚いた表情をしたユウちゃんは、すぐに笑顔になるとキザッたらしくウインクしてきた。女神は止めて欲しいけれど、快諾してくれたのは嬉しいわね。

 あとの三人はどうやって仲間にするかしら――そう思考を巡らせていると、地面が小刻みに揺れだした。それはすぐに地響きに変わり、地面にヒビが入った。


「ッ! 魔力反応! 下から来ます!」


 カーリーが叫んだ瞬間、地面から巨大な剣が出現した。

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