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9話――ワタシたち花のメガミ組⑦

「新しい薬?」


「はい。記憶を消す薬と、栄養状態を良好にする薬です。後者は風邪薬ですけど、こうやって衰弱した人に投与すれば健康になること間違いなしです」


「いや記憶を消す薬って!?」


 カーリーが思いっきりツッコミを入れる。それは私も、割と聞き捨てならないんだけど。


「記憶を消すと言っても、ここ半月くらいの記憶が曖昧になるだけです。精神の崩壊をどうにかするのは聖女のお仕事なんで、結局はわたしの出来る事はここまでですね」


 冒険者の四人以外に服用させたレイラちゃんは立ち上がり、大きく伸びをした。


「どうせこの薬を飲ませたら暫く……それこそ二、三日は目覚めないので、その間に聖女を呼びましょう」


「それは私が手配するけど……。どうなのかしらね、これ」


「まぁ……その、結果だけ見れば『凌辱された結果は無くなる』と言えるんじゃないですかね……」


 これ以上の解決策を用意出来ない私たちとしては微妙な顔をするしか出来ないけれど、レイラちゃんは私たちのその反応がお気に召さないらしい。


「そんなこと言いますけれど、人間の体は五年もすれば脳以外の細胞は入れ替わっちゃうんですから。その五年分を一瞬でやるような物ですし、問題ないですよ」


 テセウスの船ってやつね。

 まぁでも、合理的に考えればそうなのか。彼女らが知りさえしなければ、無かったことのまま。知らぬまま寿命をまっとうすれば、誰も不幸にならない。

 知っている人たちが、その違和感を飲み干せば。


「今回は良いけれど、次からひとこと声をかけてね?」


 一応言ってみるけれど、レイラちゃんはどこ吹く風で素知らぬ顔だ。


「それはそうと、意識のあった彼女らはどうします?」


 そう言って指さすのは、冒険者三人組と執事(予定)の子たち。流石に冒険者をやっているだけあって、催眠が解けた後も気丈に――


「――って、一人だけヤバい感じの子がいるわね」


 衣服は残っていないけれど、体つきからして前衛じゃない。恐らくカーリーと同じく、魔法使い。

 私が首をひねっていると、仲間の子たちが悔しそうに説明してくれる。


「あたしらが不甲斐ないばっかりに……。あたしらは呪術にかけられたけれど、この子だけかけられてなくて」


「正気のまま、私たちに押さえつけられて……」


 それは……発狂するでしょうね。

 レイラちゃんの解説を聞いていただろう二人に、薬を投与するかどうか聞いてみる。


「どうする?」


「……いや、いらない。これも飲み下さねえといけない痛みだ。冒険者をやるなら」


 リーダーっぽい子――髪を短く切りそろえた、ゴリゴリに鍛えた子が首を振る。

 もうひとりのやや細身の子も、頷いた。


「私らは冒険者、いつかこうなる日が来るとは思ってた。命があるだけ儲けものさ」


「ただ……この子はあたしらだけじゃなく、幼馴染まで目の前でグチャグチャに犯されてるのを見たからな」

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