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9話――ワタシたち花のメガミ組⑤

 とんでもない臭いで鼻が曲がるかと思ったわ。

 私はゴブリンウォリアーの亡骸からこん棒をぶん取り、周囲のゴブリンどもに向かって投げつける。

 空気が撓む音とともに、肉片になって飛び散るゴブリンたち。全員が、捕食者に睨まれた被食者のように動きを止める。


「大丈夫?」


 一先ず本当にヤバそうだった女の子に声をかけると、彼女は涙を流しながらこくんと頷いた。


「ありがとう……僕の女神様……!」


「女神様!?」


 待って、この子もなんかとんでもないことを言いだしてるんだけど。

 取り合えずその真意を問いただす前に、彼女を拘束から剥がそうとするが……。


「なにコレ、かったいわねぇ」


「それはたぶん何らかの魔法。僕に暗示をかけてきたゴブリンメイジみたいに、高度な魔法を使えるゴブリンメイジがいるのかもしれない」


 両手足を地面に埋められている女の子は、よく見るとかなりのイケメンだった。腹筋は六つに割れ、スイカみたいに胸が大きいけど……顔だけ抜き出すと宝塚の男役かってくらいカッコいい。

 この子、うちの執事にしようかしら。


「分かったわ。それならカーリーにお願いするから……もう少しだけ待ってて」


「う、うん」


 頭を撫でながらそう言うと、彼女は頬を朱に染めて頷いた。私は立ち上がり、ウインとともに駆け出す。


「殺す!」


 疾風のように室内を駆け巡り、女の子に襲い掛かろうとしているゴブリンたちを全て肉片に変えていく。

 私の可愛い女の子たちをこんな目に遭わせるなんて言語道断。死を以って償わせること以外、この蛆虫どもに道は無い。


「ぎぃっ!」


「ギギィッ!」


 ゴブリンたちは女の子から私にターゲットを変更するけれど、ブーツで蹴る度に汚い花火になっていく。

 歯ごたえの無い――これならまだ、オルカの方がまだ厄介だった。


「それにしても酷い有り様」


 十五人くらいかしら。その殆どが目に生気を失っており、正気じゃないことが伺える。

 さっきの執事(予定)の子と……もう三人、目が無事な子がいるわね。

 きっと話に聞いていた冒険者たちだろう。三人が3級で、執事(予定)の子が2級かしら。


「カーリー! レイラちゃん!」


 ひとまず蹴散らしたので彼女らを呼ぶと、私が開けた大穴からひょいと二人が入ってくる。

 そして「うわぁ……」という顔をすると、私の元へ駆け寄ってくる。


「どうしましょう、これ」


「あんたの魔法で女の子たち引っこ抜いて。そんで出来ればノーリスクで堕胎させたげたいけど……難しいかしら」


 オルカのところの女の子たちは(非常に最低なやり方ではあったが)避妊させられていた。妊娠してしまえば、一部の変態以外からの需要がなくなるからだろう。

 しかしここにいる子らは、全員「そういう」目的で犯されている。ゴブリンの子は妊娠周期が早いから、既に何回も産まされた子はいるだろうけど、それでも少しでも負担は減らしてあげたい。


「ボクの魔法で中から取り出すことだけなら出来ますけどね……回復魔法じゃ、妊娠をどうこうすることは出来ないんですよ」


 悔しそうに言うカーリー。魔法も万能じゃないっていうのは分かっているけれど、やはり悔しいわね。

 ため息をついて、彼女に指示を出す。


「そこが限度ね、ありがとうカーリー。取り敢えず、お腹をスッキリさせてから救助を優先させましょう。全員いなくなれば、ゴブリンどもを殺しやすくなるし……ってレイラちゃん、なにやってるの?」

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