9話――ワタシたち花のメガミ組②
私が号令をかけてそのまま突撃する。カーリーたちを置き去りにするようなスピードで巣穴にたどり着くと、そのまま木を振り下ろした。
爆音とともに巣穴の入口が弾け飛ぶ。冷静に考えたら、ゴブリンたちが中で生活しているのだから、小さいのは入口だけのはず。
まずは動きやすいように巣を破壊する方が先決!
「掘削作業も、楽しいわね!!」
さっきは慎重にやりすぎて敵の術中にハマってしまった。ならばやはり先手必勝後手必敗。
「中に人がいるの、忘れてませんか!?」
「大丈夫よ! ウインを先行させてるから!」
ウインは姿を消すことも出来るし、戦闘力も高い。中の様子を伺うだけでなく、人をすぐに見つけてくれるだろう。
ライトやグラッスと違って中の様子を文字や画像で伝えることは出来ないけれど、人がいるかどうか判断するくらいなら容易い。
私が五回ほど木を振るったところで――文字通り蜂の巣をつついたかのようにゴブリンたちが出てきた。
「うわっ、大量に出てきますよ!」
「迎撃しますかね」
取り敢えず木をぶん投げ、地面を踏みしめる。気合を入れて跳躍し、ゴブリンの群れの中に飛び込んだ。
「うりゃあ!」
アクアは拳を、私は脚を振り回すだけでゴブリンの肉片と血が飛び散る。
「邪魔よ邪魔ぁ!」
確かに大量に出てくるのだけど、その全てがゴブリンの通常個体。
さっきみたいに上位個体がすぐ出てくるものだと思っていたから少し拍子抜けね。
「数は多いけれど、弱いですね!」
「弱いんですけど、鬱陶しいですね。地形ごとやりたい……『プレス』」
カーリーの魔力弾と、レイラちゃんの謎魔法でゴブリンが潰されていく。
踵落としで地面にクレーターを作ったところで、その大穴から二回り以上大きなゴブリンが出てきた。
「イザベル様! ゴブリンウォリアーが!」
「――あんたらはゴブリンメイジだけ気をつけて! この程度!」
「ギィィイィゴォォオオオ!」
雄叫びをあげながら突っ込んでくるゴブリンウォリアー。その手には、ぼろぼろになった剣が握られている。
恐らく倒した冒険者から奪った物だろう――横からアクアが身体を液体化させてゴブリンウォリアーを転ばせた。
つんのめったゴブリンウォリアー。私は右回し蹴りで剣をへし折り、その勢いのまま後ろ廻し蹴りで首を切断。生首をアクアの拳で吹き飛ばした。
「おっけー!」
「いやゴブリンウォリアーを素手で倒すって何なんですか?」
「さすがイザベル様! 作中最強身体能力は伊達じゃないですね!」
ドン引きしてるレイラちゃんと、何故かテンションが高いカーリー。
息を軽く吐くと、そこでウインが戻ってくる。嫌な言い方だけど、苗床の場所を見つけたみたい。
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