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8話――サイミン×ト×ハンゲキ④

「どうしますかね、これ」


「どうもこうも、術者を倒すのが一番早いですよ。倒しに行きましょう?」


 シンプルな答えを出すレイラさん。ボクは腕の中で幸せそうに寝ているイザベラ様を見ながら、首を振った。


「この呪術――暗示をかけてるわけですけど、対象を物凄く絞ることで素早く強く相手にかけられるようになってるみたいなんです。その対象が分からないと、木乃伊取りが木乃伊になりかねません」


 呪術は門外漢だけれど、魔力の感覚からどんな効果を持っているかくらいなら分かる。

 そして簡単で単純な呪術なら、専門外のボクでも簡単に解呪出来るけど……。


「これはそれなりに腕のある聖女じゃないと無理ですね」


「解呪の魔法石……試したけど、ダメですね」


「これは魔法じゃなくて呪術の分野ですからね」


 聖女の使う回復の祈りなんかは、分類するなら呪術に入る。精神に作用させ、自然治癒力を劇的に引き上げることで怪我や傷を治すからだ。

 一方、ボクら魔法使いの使う回復魔法は状態を戻す。ちょっとした呪術ならボクらの魔法でも治癒させられるが、このレベルだと難しい。


「しかもイザベル様の様子を見る限り、認識をずらされてる感じでしたからね。かけられたことに気づけないかもしれません」


「遠くから一撃で仕留めますか」


「出来ます?」


 ボクの端的な問いに、ちょっと小首を傾げるレイラさん。


「あの巣穴ごと平らげていいなら」


「ボクもそうなんですよね」


 全部を無視して巣穴ごと『クロス』で超上空に放り出して殺したり、水の中に沈めたりは出来る。でもそうすれば、中で囚われている人たちが死ぬわけで。

 町長さんの娘を救出するというミッションである以上、それは出来ない。


「誘き出すような魔法石とかありませんか?」


 レイラちゃんはカバンの中を探す。そして変な――赤紫色の魔法石を取り出した。それを寝ているイザベル様の上に置くと、なんと彼女の分身が現れた。服は着ていないけれど。


「鼻が赤くなっていること以外は、まんまコピー。名付けてコピー〇ボット」


「その名づけはマズいんでやめてください」


「じゃあコボットで。ほい」


 レイラさんが手を叩くと、コボットが起き上がる。二足で立ち上がると、ボクらに優雅に一礼した。

 イザベル様からは絶対に出てこない、まるで貴族のような優雅な立ち振る舞い――。


「こっちが本物でしたっけ」


「諦めましょう。わたしたちのリーダーはあの豪快な方です」


 やれやれと首を振るレイラさん。なんとなく先輩であるボクよりも分かった風な態度なことが気に喰わない。

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