7話――今日から女騎士!⑤
私の答えを聞いて……なぜか、レイラちゃんが笑い出した。それもかなり愉快そうに。
「ふふふ……! 面白いですね、イザベル様。可愛いんですか、わたし」
「女の子は全員、可愛いわよ。その中でも、あんたは特に可愛いわ」
つま先を地面に何度かたたきつけ、調子を確かめる。今日の私は、いつも通りパーフェクト。
「あと、もうちょっとしたら資金も貯まるだろうし、そしたらここ一番以外は資金提供するわよ。格安金利で」
「あ、金利はつくんですね」
「当然でしょ、投資なんだから」
ただまぁ、ピンチになった時とかは助けて欲しいけどね。一応、騎士団として雇うんだし。
どれくらい好き放題するのかはちょっと気になるところだし、とりあえず館の一室を貸してガンガン研究してもらおう。
私たちが町長の屋敷から出ると、レイラちゃんが何かに気づいたような表情で真上を見た。つられてそちらを見ると、そこには……何故かカーリーが浮かんでいた。
「あ、終わりました?」
「……終わったけど、何してるのよカーリー」
ゆっくりと降りてくるカーリーに声をかけると、彼女はやれやれと首を振った。
「うーん、あの町長さんがちょっとヤバい雰囲気になってたんで。話がまとまるまで外に出てよう思ったんです」
確かに彼女の言う通りヤバい雰囲気というか逝った目つきをしていたし、カーリーは大丈夫なんだと主張するよりもこうしてさっさと外に出てくれた方が話はまとまりやすかっただろう。
とはいえ、速攻で逃げられてちょっと寂しかったのは内緒。
「それにしても、あの町長さんは正気を疑うような雰囲気でしたね。もしかして何か、マズいクスリでもやってたんでしょうか?」
レイラちゃんの疑問に、カーリーが首を振る。
「あれはたぶん、呪術です」
「「呪術?」」
私とレイラちゃんが同時に聞き返す。魔法がある世界なんだから呪術くらいあっても違和感はないけれど、魔法と何が違うんだろうか。
「取り合えず私たちも領域、展開出来るようにしておく?」
「無理ですし、この世界の呪術はそんな感じじゃありません」
なんだ、違うのね。
「魔法使いよりももう少し希少で、錬金術師よりはいるって感じですかね。魔法との違いは、精神に作用する効果が主ってところです」
そう言われてふと思い出す。ゲームの本編に出てきた怪しい老婆。
主人公のライバルを呪って蹴落としてくれるというチート婆なのだが、一回でも使うと強制的にやさぐれ系王子にルートが固定されてしまうキャラ。
あれも呪術使いなのだろうか。
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