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7話――今日から女騎士!④

「じゃあ話も纏まったし、行きましょうか」


「い、イザベル様! 本当に……お二人で行かれるんですか? その、もう少し人数を募って行くべきでは……」


「あんたが女性限定でとかワガママ言わないなら、連れてくわよたくさん」


「それはだめです! 娘の肌を男に見せるなどとんでもない!」


 頑として意見を曲げない町長。私はため息をついて、立ち上がった。


「まぁ、ドンと構えてなさいよ。私達、最強だから」


 ゴブリンごときに遅れは取らない。

 不安げにしている町長を置いて、私とレイラちゃんは外へ向かう。


「……いつの間に、わたしは騎士団になったんですか?」


 玄関でそう呟くレイラちゃん。怒っている風でもなく、純粋な疑問といった風体。


「わたし、めんどくさいんで自分のやりたい研究しかしませんよ? 今回みたいに気が乗ったら色々やりますけど」


 ある種、牽制のつもりだろうか。彼女は『賢者の石・L』を取り出して私に渡した。


「これが必要ならお売りします。他の魔法石が欲しければお売りします。錬金術師の知恵や知見が欲しければ、都度依頼していただければお受けします。でもたぶん、あなたの命令は……わたし、聞きませんよ?」


 今回は戦うと分かっていたから、ヒールじゃなくてブーツを履いてきた。

 戦闘できるように、スカートじゃなくてパンツスタイルだし。ホットパンツが良かったんだけど、イザベル(真)は持ってなかったからスキニージーンズだ。

 私は玄関に腰を下ろしてブーツを履き、レイラちゃんを見上げた。


「それでも雇いますか?」


 何となく垣間見える、闇。人から好かれたいようなタイプには見えないから、寂しいとかそういう方向では無いのだろう。

 私はそれを何となく察した上で、口を開いた。


「今ね、凄く忙しいのよ。だから人を雇わないといけないんだけど……どうせなら、可愛い女の子を雇いたいじゃない?」


 可愛い子を見ていた方が、モチベーションが上がる。

 私の言葉に、ぽかんと口を開けるレイラちゃん。


「わたしを、可愛いから雇うんですか……?」


 困惑した様子のレイラちゃんの手を握り、私は立ち上がる。


「顔採用でいいのよ顔採用で。だって人には向き不向きがあるんだし、可愛くてお近づきになりたい子がいたらまず雇うのがベストよ」


 世間様は顔採用に対してブーブー言うけれど、顔だって立派な本人の能力の一つ。それだけを活かすように言われたら反発したくもなるだろうが、かといってまるで活かさないんじゃ何のためにあるのかわからなくなる。

 適材適所が前提として、そのきっかけは容姿でも性格でも何でもいい。


「そして性格は面白そうだし、可愛いし。そりゃうちで働いてもらいたくもなるわよ」


 

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