7話――今日から女騎士!①
というわけで、2日後。
私はカーリーとレイラちゃんを連れ、トミサに来ていた。
「あー、疲れた。久しぶりの長距離移動はやっぱ腰にくるわねー」
前世で事務仕事していた時のことを思い出す。人間、ちょっとくらい動かないと逆にストレスが溜まるものだ。
私が馬車から降りて伸びをしていると、憮然とした表情のカーリーが御者席から降りてきた。
「いいじゃないですか、イザベル様はふかふかの椅子に座ってたんですから。ボクなんて固い御者席ですよ?」
「そうね、ありがとうカーリー。一応、運転手伝ったんだから許して」
そう言って私は使い魔にしていた手綱をもとに戻す。名前はレインズ、これまた初めて使い魔にした物だ。
最初はどう運転すればいいのかレインズも分かってなかったけれど、カーリーが使っているのを身体で覚えたようで最後の方はレインズだけで運転していた。
馬車って運転でいいのか分からないけど。
「流石は貴族の馬車ですね。ふわふわでした」
そう言いながら降りてくるのはレイラちゃん。彼女は欠伸をしながら、伸びをしている。
いくらいい馬車と言えど、現代ほど舗装されていない道に馬車だ。とてつもなく揺れる。
だというのに熟睡出来るなんて、どんな神経しているのかしら。
「わたし、どこでも寝れるんですよね」
「それは良いことだけども」
この子のキャラが掴めない。
町長さんの家まではレイラちゃんが案内してくれるとのことなので、馬車を止めた私達は彼女の後ろに付いていく。
「ここですね」
彼女が示すのは、大きめな屋敷。住居スペースと、恐らく公民館のような施設を兼ねた建物みたいね。
「じゃあ行きましょうか。ごめんくださーい」
扉を叩くと、中から大きな足音が。勢いよく扉が開き、禿げ上がった老人が私達を睨んだ。
「何の用じゃ!! こっちは愛娘が拐われて気が気じゃないんじゃ! これでテキトーな用件だったらただじゃおかなーーい、イザベル様!?」
流石に私の顔は知っていたらしい。目が明らかにイッちゃってる老人……町長さんは、大慌てでその場に土下座した。
「も、申し訳ございませぬ!! 愛娘が拐われてしまい、普通ではいられず……! ど、どんな処罰でも受けますが、私の家族だけは……」
「あー、いいからいいから。ほら、女の子だけの騎士団連れてきたわよ」
「なんと!?」
殆ど悲鳴のようなレベルの声を出しながら顔をあげる町長。彼は私達を押し退けて外に出ると、周囲を血走った目で見回す。
「ど、どこにいますのじゃ!?」
「目の前よ、目の前。ちゃんと三人いるじゃない」
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