6話――我儘の錬金術師⑧
「しかもその三級パーティー、女性限定パーティーだったらしいんですよ」
「女性だけでゴブリンの巣に……? ちょっと正気じゃ無いわよ」
やられたら死ぬのではなく、延々ゴブリンの苗床だ。私自身は生憎前世でも今世でも男性相手の経験は無いけれど、それがどれほど辛いことかは想像に難くない。
カムカム商会の時は先にクスリで正気を奪われてからああなったが、今回は正気を徐々に奪われて行くのだから。
「ただ、レギオンじゃないならまだ領地騎士団や第一騎士団の出番じゃないわ。適正なランク……二級のパーティー複数か、一級のパーティーに頼むことね」
冒険者ギルドにこちらから依頼を出すことも出来る。そっちの方が速く片付くだろう。しかしレイラちゃんが首を振る。
「いやー、その三級のパーティーがですね。元々、トミサ出身らしいんですよ。それで幼馴染の女の子が連れ去られたとかで、ゴブリンの巣に突っ込んだんですよね」
「ゴブリンの巣、トミサにあるのね。……だから領地騎士団か」
トミサ町は隣の領地、バーチ領と隣接する町だ。あまり大きな町では無いし、冒険者の数も少ないだろう。
少ないというか、逆に三級パーティーがいることが凄い。
「トミサからラウワだと、だいぶ来たわね……」
「はい。それで、トミサの町長さんの娘さんなんですよね。だから謝礼は言い値で出すと」
「わお」
トミサは大きい町ではないが、町長ならそれなりの金額を出せるだろう。ゲームには無かった設定だから記憶には無いが、調べればどれくらいの税収があるかは分かるはず。
「それで、わたしはその町長さんが持ってる鉱石が欲しくって。研究し甲斐がありそうなんですよね」
レイラちゃんはちょっと照れたように言う。なんで照れているのか分からないけれど、それなら猶更冒険者と組んで討伐に当たった方がいいんじゃないだろうか。
私の考えを、レイラちゃんは首を振って否定する。
「女の子が裸なんですよ、苗床なんですから」
「そうでしょうね」
ゴブリンに衣服なんて概念は無いだろうし、実際に見たことは無いけれど想像はつく。
「町長さん、愛娘の裸を男に見せるなんて! ってことで、女の子以外の冒険者だと救出を断るんですよね」
「無茶苦茶じゃないの……」
「状況分かってるんですかねー、町長さん」
普通に考えても、不衛生なんだから病気になる。栄養状態だってありえないだろうし、そもそも毎秒レイプされているのだ。精神状態はボロボロになる。
感染症だって人類が持つそれよりも酷いだろうし、ゴブリンの子は一か月で出産まで行くらしいから救出が遅くなればなるほど、母体はダメージを負う。
「だから、めっちゃ強い女性であるイザベルさんならどうにかしてくれるかなと思いまして」
「いや無茶言わないで!? いくら可愛い女の子が被害者だとして、木乃伊取りが木乃伊になるだけよ!?」
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