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6話――我儘の錬金術師⑥

 私が言うと、ちょっと苦笑いするレイラちゃん。


「まぁそれを見込んだところもありますね。研究資金も尽きてきましたし」


 フリーでやっているなら、スポンサーを見つけるのも大変でしょうしね。


「ちなみに、今まではどうやって調達してたの?」


 何の気なしに聞くと、彼女は魔法石をしまいながら説明してくれる。


「ここ二、三年はワナガーカにいた頃に助けた貴族の謝礼で研究してました。娘さんが難病にかかったとかでお医者さんを探してたので、薬を作ってあげたんですよね。それで治るまでは薬を売っていたので、結構いいお金になりました」


 ワナガーカはウキョートの向こうにある港町。マイターサよりも発展しているし、何よりマハコヨ区はこの国でも屈指のオシャレ街だ。

 そんなところで貴族に薬を売ってたのね……そりゃ金になるわけだわ。


「その前はもっとテキトーでした。その辺で困っている人がいたら助けて謝礼を貰ったり、冒険者のパーティーに混ぜて依頼をこなしたり」


 本当にテキトーね。錬金術師っぽくないわ。


「強い魔物とかを倒した方が、ちまちま薬や魔法石を売るより効率良いんですよね。魔法石は適正価格以下で売ると色んな人に恨まれますし」


 独禁法は無いけれど、それでも価格破壊は恨まれる。法律で規制されているわけじゃないから、国から手出しは出来ないけれど……逆にそのせいで私刑に走る奴らも多い。

 もちろん私刑は法律で禁止されているけど、そっちはトカゲのしっぽ切りだしね。


「あ、そうそう。さっき言いかけたもう一つの理由っていうのは困ってる人がいるって話なんですよね。領地騎士団を派遣させられないかと思いまして」


「あら、そうだったの」


 なるほど、それで私にではなく領主にだったのね。


「じゃあほら、騎士団長。相手してあげて」


 私がカーリーの方を見てそう言うと、彼女がぽかんと口を開ける。


「えっ、誰……ボクですか!?」


「そうよ、あんた以外誰がいるの。今のところ、騎士団長はあんた、副団長は私よ」


「初耳なんですけど!?」


「モーリオアの領地騎士団も団長が領主ですし、珍しいわけじゃないと思います」


 モーリオアはここからだいぶ北の方にある領地。あそこはそもそも人口が少ないから、人手不足の面はあると思うけど。

 ……いや、人手不足と言われたらうちの領地の方が深刻だけども。


「あー、騎士団長さんが魔法使いって珍しいですね。魔法騎士か何か何ですか? ……ああいや、違いそうですね」


「どこを見てそう確信したんですか」


「胸です」


「胸は関係ありませんからね胸は!!! というかボクの肉体はまだ十歳ですよ!? ここからイザベル様を越える巨乳に成長しますから!! ね、イザベル様!」


「せーやっ、せーやっ、せーやっ、せーやっ、な!」


「雑にもほどがあるんですよ!!」


 揶揄っていたらカーリーが頬を膨らませてしまった。可愛いので彼女の頭をよしよしと撫でる。

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