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6話――我儘の錬金術師④

 レイラちゃんはそう言った後、懐からさらに二つの魔法石を取り出した。

 今まで彼女が出した魔法石は単色の物だったが、虹色に光っている。


「これが賢者の石です。未完成品ですけど」


「な、ななななな! そ、そんな貴重なものを持ち歩いてるんですか!? だ、だから盗まれるんですよ!」


 すっかり驚き役が板についてきたわね、カーリー。


「いやー、わたしが持ってる方が幾分か安全なんですよね。何せ家には何がどこに置いてあるか分からないですから」


「管理が杜撰過ぎますよ! こう、もっとこう……! だって賢者の石って錬金術師の夢でしょう!?」


 カーリーは割とこの辺、しっかりしていないと嫌なタイプなのだろう。やることは割と無茶だが、基本的に真面目で常識的だから。

 私はカーリーを再度宥め、ため息をついて屋敷の中を親指で示す。


「それは分かったから、もう中で話しましょう。初夏とはいえ外は暑いわ」


 マリンに戻ってくるよう伝えてもらうために、ウインを送り出した。

 万が一敵だった時に私とカーリーか離れるのは恐いし、マリンにお茶を淹れてもらおう。

 レイラちゃんを応接間に通し、私とカーリーはその前に座った。


「話を整理すると、あんたは転生者で錬金術師。私がイザベルと知って、会いに来た。理由は?」


「死体からダイアモンドを作りたかったんです」


 そっかー、とはならないわよ。なにこの子、曇り無き目でこっち見ないで恐いわ。


「イザベルさんは原作だったら奴隷とかをいたぶって殺してるはずなので、その死体をダイアモンドに変えさせてもらえないかなと思いました」


 確かにイザベル(真)はゲームでそんなことしてたけども。だからって死体をダイアモンドに変えさせてくださいとか普通言いに行くかしら。


「あともう一つ、これはイザベルさんじゃなくて領主様にお願いがあります」


「わかったわ、そっちは後で聞くわね」


 わざわざ領主にと言うのだから、何らかの直談判だろうか。

 少し気になるが、今はそれ以上に気になること……即ち組織と賢者の石についてだ。


「あんたは組織に関わっていなくて、使われてる賢者の石は、あんたのところから盗まれた物だと」


「たぶんそうだと思います。わたし以外に賢者の石を作れる錬金術師ってたぶんいないので」


 まぁポンポン作れるなら、カーリーもあんな反応しないでしょうしね。

 ただやはり、盗まれたというのは解せない。


「カーリーの言う通り、そんな貴重品なのに持ち歩いたり杜撰な管理だったりって……イマイチ信憑性が無いのよね」


「そもそも! 賢者の石が作れるような錬金術師がフリーって! ボクが特殊な例であって、腕利きの魔法使いは冒険者をやっているか貴族や騎士団に雇われるのが殆どですよ!? どうしてなんですか!?」


「雇われると、指示されるじゃないですか。わたし、自由に研究したいんですよ」


 フリーダムねぇ……。


「あと、賢者の石は未完成なのでそんなに重要視してなかったんですよね。盗まれたのに気づいたのも、つい二、三ヶ月前ですし」


「未完成?」



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