44話――ライウェイベイビー①
「結構軽いわねぇ」
ありがたいことに鎧を着つけてもらったので、早速ユウちゃんと組み手をしていた。
ユウちゃんの蹴りを回避し、逆にこちらは掌底を繰り出す。防がれたら次は回し蹴り、彼女がスウェーバックで回避するので、蹴りの勢いを利用して側転、訓練場の壁を利用して三角跳びでユウちゃんの背後を取って背中に前蹴りを叩き込む。
それを受けたユウちゃんは地面と水平に吹っ飛ぶけど――強引に地面を蹴って軌道を変え、空中で三回転くらいして着地した。
「良いわね! これ、あんまり手加減してないのにユウちゃんと戦えてるわ!」
着地したユウちゃんに向かって、一歩で距離を詰める。そして地面に手をついて、側方片手宙がえりからの踵落としを繰り出した。
ユウちゃんはそれを腕で受け止め――重さをこらえきれず、その場に尻もちをついてしまった。
「ふふ、良かったね女神。普段、だいぶフラストレーションがたまるって言っていたものね」
嬉しそうにニコニコしてくれるユウちゃん。他人の事でもわがことのように喜んでくれるのは、凄く嬉しいわね。
――普段だったら両手両足にかなりの重量の重りを付けた上で、手加減しながら戦うんだけど……これならそこそこ思いっきり動ける。
重りを付けていると、動きは鈍くなっても当たった時の衝撃は大きくなっちゃうんだけど……この鎧は私自身の動きを阻害するだけだから、動きが鈍った分破壊力が増すということも無い。まさに理想の訓練用鎧。
マリンがいれば二対一で稽古をつけてもらうのだけど、今はカーリーと共に『何故女騎士団の話題をそらしたのか』を調査中。だから代わりに……ここに居る騎士たちに稽古でも付けてもらいましょうかね。
「ユウちゃん、ありがとう。――ジージーさん、せっかくですしワナガーカの騎士団の実力を肌で感じさせていただけませんこと?」
隅っこの方で「あんなの人間じゃない」とか、「どんな鍛え方をしたら、一振りで剣が粉々になるんだ」とか、「せめて魔法使いであってくれ……魔法を使っていてくれ」とか、「超級冒険者でも魔道具とかで身体能力を底上げすんのが普通じゃないのか。なんで素で千倍の重さの鎧を着て動けてるんだ……」とか死んだ目でブツブツ言っているジージーにそう問いかけると、彼はキョトンと首を傾げた。
「と、言いますと……? その、我が騎士団には人間しかおりませんので……イザベル様のご期待に応えられる人材がいるかどうか」
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