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43話――もうすぐ夏ですね④

 ジージーに案内され、私たちは体育館のような建物に通される。扉を開けた瞬間――中から、まるで大声大会でもしてるのかってくらい野太く暑苦しい声が飛んできた。


「せいっ! せいっ! せいっ! せいっ! せいっ! せいっ!」


「やーっ! はっ、やーっ! はっ! はーっ! やーっ!」


「コラッ! 貴様、なんだそのフォームは! 死にたいのか!」


「いいえ!」


「なら真面目にやらんか!」


「はい!」


 体育館の中では、おおよそ四十名ほどが訓練していた。学校のクラス一つ分くらいの人数の筋肉ダルマが、一斉に剣を振っている姿はなかなか壮観ね。

 でも全員、上半身裸なのはなんでかしら。


「シンプルに、暑いからでしょうな。さて、こちらの方へ。見目麗しい美女軍団が視界に入ってしまっては、いくら熟練の腕を誇る我が騎士団と言えど、鼻の下を伸ばしてしまい訓練になりませぬからな」


 わっはっは、とまたも豪快に笑うジージー。見目麗しい美女軍団と言われ、カーリーはちょっと誇らしげに胸を張り、マリンは「えっ? オレはイケメン枠では?」みたいな顔をする。

 安心なさい、マリン。アンタは確実に可愛い枠よ。


「こちらです。ここは会議室も兼ねている休憩室です。全体が見えます故、見学にはもってこいでございます」


 ジージーの案内で訓練場の端の方に行き、階段を上って二階へ。そこには職員室っぽい見た目の部屋があり……ジージーの言う通り、ガラス張りで訓練場の様子が一目瞭然だった。

 部屋の脇には何故か、赤黒い鎧が鎮座しており、禍々しい雰囲気を醸し出している。


「ささ、椅子にどうぞ。マーク、飲み物を持ってこい」


「もうすでにお持ちしております。どうぞ」


 そう言って、お茶っぽい物を置いてくれるマーク。緑色……緑茶に似てる、こんなのこの国にあったかしら。

 一口飲んでみると、緑茶とは程遠い味……だけど、風味はそれっぽい。


「こちらは?」


「なんでもセンタルハーナ共和国の特産品だとか。と言ってもそこまで高価な物ではないらしいですが……ジーナお嬢様の新しい執事が、差し入れにと持ってきてくれたんですよ」


「彼はぼくの友人でもあるので、その繋がりで」


 ニコッと微笑むマーク。

 ……ここでもセンタルハーナ、ねぇ。


(一瞬で胡散臭くなったわねぇ)


 とはいえ、別にセンタルハーナ共和国の全部が悪いと決まったわけじゃない。セイムス男爵のところの事件は、まだ『組織』には漏れていないはずだし……既にこの領地が陥落してるってことも無いでしょう。

 取り合えずスルーして、笑顔で話を進めることにする。

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