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41話――暗夜街のメデューサ⑥

 ガクガクと震えだすシャオソー。何かを思い出すように頭を抱えるけど……顔を歪めて絶望の表情でレイラちゃんを見る。

 彼女の言っていることが正しいと分かっちゃったみたいね。


「ふざけるな、なんでだ、待て、私はこうして生きて……」


「ええ、はい。シャオソーさんは生きてるんじゃないですか? 乗り移ってると思い込んでる貴方が既に死んでいるという話です。貴方、自分の名前思い出せますか?」


 レイラちゃんの問いかけにーーシャオソーは完全に固まってしまう。

 そして自分自身の顔を撫でると真っ黒で穴凹のような目になってこちらを見てきた。


「ッ」


「うっ」


 カーリーとシアンが怯んだので、私がカーリーを、ユウちゃんがシアンを抱きしめる。

 そしてマリンが私たちの前に出た。その目はかなり警戒している。

 しかしレイラちゃんは意に介さない。ただ観察するためだけに、言葉を連ねた。


「もう一度聞きますね。貴方は、自分の名前を思い出せますか?」


「あ、ああああ……ああああああああああああ!!! わ、私は、私はぁ! 私はシャオソー、シャオソー……!」


「いいえ、違います。それは元の人格の名前です」


「があああああああああああああ! ああ、あああああああああああ!」


 ビクビクッ! と痙攣したシャオソーは、そのままグルっと白目を剥いて倒れた。

 レイラちゃんはシャオソーの目を開き、じっと観察する。そして先程の魔法石を額に当ててから、頷いた。


「うん、完全に自我が崩壊していますね。今ならもとの記憶を復元出来るかもしれません」


「いやいやいや! 自我を崩壊させてどうするのよ! そいつから情報を抜かなきゃいけなかったのに!」


「えっ? あー……てへっ?」


 可愛らしい仕草でぺろっと舌を出すレイラちゃん。可愛いわねぇこんちくしょう。

 でもそんなこと言ってる場合じゃないのよ。

 私は大きくため息をついてから、レイラちゃんにビシッと指を突きつける。


「こいつの元の人格を戻すのにどれくらいかかる?」


「二時間もあれば」


「一時間半でやって。その間に私達は、セイムス男爵を丸め込む準備をするわよ」


 どうせレイラちゃんなら、一時間で終わる。私は皆の方を見て、肩をすくめた。


「ワナガーカの件が終わったら、今日の情報を考察しましょう。せっかく『ちょっとムカつく』くらいの『組織』のヤツを捕まえたと思ったのに」


 まぁ仕方ない、レイラちゃんだし。みんなも生暖かい目でレイラちゃんを眺めている。

 取り敢えず、こいつの処遇は任せて……自分は自分の仕事をやらないとね。


「じゃあ、どうやってセイムス男爵を籠絡するか会議するわよー」


「「「はーい」」」


 まぁでも、ある意味プラマイゼロかしらね。

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