表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

290/312

41話――暗夜街のメデューサ③

「まぁ、こうなるわよねぇ」


「がっぺっ……!?」


 蹴りを腹に叩き込み、壁にめり込ませる。とりあえず、これで動けなくなったかしらねぇ。

 首を大きく回してストレッチしつつ、彼の前に立つ。


「こうして攻撃してきたってことは、アンタは『組織』の人間ってことで良いのよね?」


「だ、だったらどうする……! フフ、もう本物のシャオソーは死んでいるぞ……」


「いやその人が生きてるかどうかはどうでもいいのよ。重要なのは、アンタが何をしようとしているか。それを説明してくれるかしら?」


 私が問いかけると、シャオソーはグッと黙り込む。黙秘権なんてこの世界にあるわけないのにね。

 というわけで、私は彼の首を掴んだ。


「まぁ、じゃあ殺しとくわ。一人でもあの思想を流すやつを殺しておけば良いし」


「なっ、わ、私を殺したら『組織』が黙っていないぞ!」


「もう既に何回も『組織』とは事を構えているから、別に良いし……」


 そう言いながら首を掴んだ腕に力を込めると、シャオソーの首からミシミシと音を立てだした。

 それを聞いたシャオソーはブンブンと首を振って、私の腕をそっと握った。


「ま、待て! わ、分かった話す、話す! 話すからやめてくれ!」


「あら、案外根性ないのね」


 手を離すと、ゲホゲホと咳き込むシャオソー。私は彼の腹を踏んづけ、首をかしげる。


「じゃ、あんたの任務について教えて頂戴」


「……そ、ソウテン王国の騎士団を弱体化させ、我ら『組織』が権力を握る下準備のために……貴族の間にセンタルハーナの文化を広めつつ、民衆に支持を得られた者の権限を高めるという思想を広めている」


「ふぅん……」


 回りくどい言い方だけど、私たちの仮定がだいたい合ってたってことみたいね。


「なんでそんな迂遠なやり方をするのよ。乗っ取れるんでしょ? ソレで王子なり王なりと入れ替わればいいじゃない」


「……そう簡単にはいかない。私のような成代者ルークは、極力権力のある者とは成り代わらないようにしているからな」


 ……新しいワードを出さないでよ。ダンプリの世界にそんなややこしい設定いらないから。

 っていうか、その権力を持つ人間と入れ替わらない理由を聞いてんのに、同じことを繰り返してどうするのよ。


「だからソレはなんでなの?」


 舌打ちしたい気持ちを抑えて再度聞くと、シャオソーは口を開いた。


「ある程度の期間、拘束する必要があるからだ。転生の石による施術は時間がかかるからな」


 また新しい情報が……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ