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37話――ふしぎ友誼⑥

「いやいや、僕は女神を信仰したりはしていないよ? ただ今後の人生を彼女に捧げようと思っているだけで」


「十分立派な信者ですわっ!? そしてカーリー、あなたそんな格好だと風邪ひきますわよ!」


「シアンさんがいつまで経ってもお風呂に戻ってこないからじゃないですか! ボクのぼせるところでしたよ!?」


 ああ、そういえば髪の洗い方とか言ってたわね。それで二人でお風呂に入ってたと。

 ふむ、久しぶりに皆でお風呂に入りたくなってきたわね。


「じゃあ今夜は四人で入りましょう。洗いあいっこするわよ!」


「もう欲望を隠しませんねイザベル様」


「僕は構わないけど、レイラちゃんは良いのかい? あの子も強制的にお風呂に入れないとたまに忘れるだろう?」


 そうなのよねー。あの子、自分の発明品で「いつでも髪がサラサラになるトリートメント」とか「お風呂に入らなくても清潔を保てる服」があるから入るの面倒って言うのよね。

 ついでだし、今夜はレイラちゃんを入れましょう。今回はお風呂回ね。


「って、ごまかされませんわよ。貴女つまり、別世界の人間ってことになりませんこと? しかもこの世界の未来を知っていると?」


「あ、誤魔化せなかった。ええそうよ、なにか変?」


「変というか、まぁ最悪転生したことは貴女の頭がやっぱりおかしかったで済みますけれど」


「アンタしれっと『やっぱり』っつったわね?」


 私が指摘すると、シアンはさっと目をそらす。なんで原作でトップクラスに頭のおかしいイザベル・アザレアにそんなことを言われなきゃならないのか。

 私は彼女の鼻をつまんで、ぎゅっと引っ張る。


「んにゃー! 痛いですわっ!」


「ったく、誰がどうみても頭は正常でしょうが」


「うぅ……まぁ、それじゃあそこは置いておいても、未来を知ってる根拠が欲しいですわ。それを指針として行動するなら尚更」


 真剣な目になるシアン。せっせとカーリーに服を着せていることを除けばーー流石は原作の中ボス、悪役令嬢の雰囲気ね。

 元々、見栄とプライドが異常で世間知らずなだけで、やると決めたら慎重に手回しをしてから物事を進める堅実なタイプだものね。

 おかげで原作では主人公を嵌めるためにガッツリ動いてたし。


「じゃあアンタの個人情報当てましょうか。えーっと、確か初恋は二人目の執事で……額にアンタの名前を書いたんだっけ?」


「なんでそれを!?」


 本気で驚いた様子のシアン。

 王子様を口説く時に「誰にも言ってないんですけれど」って可愛らしい子どもの頃の失敗として話してたのよね。

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