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36話――涙の数だけ強くなりたい①

すいません、本日更新が遅れました。

来週からはちゃんと12:00投稿します

「ってわけで、マータイサじゃトップ10に入れないくらいの大きさの商会二つでが合同で……って、どうしたの?」


 馬鹿なチンピラを全滅させて、ラピスラズリ商会に戻ってきた私たち。改めて応接間……ではなく今度は会議室に集まったのだけど、何故かマティルダさんとモナークさんは恐怖に満ちた目で私を見てきた。

 ……もしかして、私やっちゃったかしら。


「いやそりゃやってますよ。なんですかあの拷問」


「今日はあんたがいたから、私結構抑え目の拷問だったわよ?」


 ボス格以外は苦しませなかったし、ボス格もあんまり殴ったり蹴ったりしなかったし。普段なら手足を捩じ切った奴を、恐怖を伝聞させるためにわざと逃がすけど今日はやらなかったし。

 いつも通りやってたら、もう少し因果応報を叩き込むんだけどね。


「それに、アレくらいやらないとああいう手合は反省しないし……」


「いや反省とかそういう次元じゃありませんでしたわよ!? 死んでますわ、人が死んでいますわ!」


 バン! と机を叩くシアン。するとその様子を見たモナークさんが、大慌てで彼女の肩を掴んだ。


「か、会長! ダメですよ逆らったら!」


「逆らうでもなんでもありませんわよ! あんなもの眼の前で何度も見せられたら気が滅入りませんこと!?」


 むんと胸を貼ったシアンは、私と鼻と鼻が付きそうな距離まで詰めてくる。

 ……ここまで怒ること無いと思うのだけれど。


「ちょっと懲らしめただけじゃない、悪人を」


「無駄に倒置法を使うんじゃありませんわ。……それに懲らしめ方に問題があるという話をしているんです。ともかく金輪際、わたくしたちの前では見せないでくださいまし」


「はいはい、わかったわよ」


 嘆息。まぁ彼女もマティルダさんも可愛いから、あんまり怯えさせるのは良くないわね。

 今回は彼らに安心して貰えるように強さを見せつけたのになんか怯えられてるし……失敗だったかしら。

 私が首を傾げていると、カーリーがクイクイと袖を引っ張ってくる。


「ちょっと格好よくやっつけるだけで良かったのに、なんであんなにしっかり拷問までしたんですか?」


「そっちの方がスッとするかなって」


「わたくし達は一般人なんですわよ! そんな血生臭い『普通』で考えないでくださいな!」


 ……まぁ、いくら悪人とはいえ彼女らの前でやるには少しやりすぎだったかしら。

 ポリポリと頭をかいて、私は足を組んた。


「まぁ、分かったわ。でも取り敢えずコレで、アンタ達をしっかり守れるって証明できたでしょ?」


 笑顔で首を傾げると、怯えた表情でマティルダさんとモナークさんが頷く。

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