31話――ショウカイを思案せよ!⑤
「勿論。私だって、アンタに同情する部分がないわけじゃないしね。あと、普通に見た目が可愛いし。イザベルの見た目はそこまで好みじゃないんだけど、今はオッケーよ」
グゥとサムズアップすると、何故かカーリー達が大きなため息をついた。
「出たね、女神の悪い癖。まさか自分の身体でもオッケーとは」
「イザベル様の女好きはどうにかならないんでしょうか」
「まぁ姐さんは顔採用って言ってたッスからねぇ」
「イザベルさん、ホント可愛い子好きですよねー。生前、どんな生活してたんですか?」
うるさいわね。
ちゃんと今と同じように、困った女の子を助けたりしてたわよ。悪い男を家から追い出したり、ホストから守ったり、メン地下に貢いでる子を保護してあげたり。
「勿論、無料とは言わないけど」
私が言うと、イザベル(真)はギョッとした顔になった後……自分の体を抱きしめた。
「ま、まさかわたくしの身体を!?」
「それは今度」
「自分の体なのに!? こ、この人見境が無いんですの!? 女なら誰でもいいんですの!? 女同士なのに?!」
失敬な。女の子なら誰でもいいわけじゃない。男でも可愛い子はオッケーだもの。そして私の体だろうと、可愛い女の子なら問題ない。
まぁ、そんなのどうでもいいのよ。
「違うわよ、アンタの商会と提携するわよ」
「……ラピスラズリ商会と? 提携って……どうやってですの?」
「レイラちゃん。あの充電池の魔石……あの技術、提供していい?」
私が言うと、レイラちゃんがキョトンと首を傾げる。
「別に構いませんけど、あれってそんなに便利じゃないですよ?」
「アクセサリーの幅を広げるには十分でしょ。イザベル(真)はデザイナーらしいし、実際に見ればアイディアも湧くわ。これでもっと儲けられるなら上々よ」
「あー、まぁ……技術って使われてなんぼですもんねぇ。データ取れるなら、供与しても良いですよ」
「オーライ。んじゃ十二分、会わせてくれたら絶対引き入れられる。――ってわけで、お願いね?」
話が飲み込めてないようで、ピンと来ない表情になるイザベル(真)。でも戻れるのならとでも言わんばかりに、立ち上がった。
「では、今から会いに行きましょう! 善は急げですわ!」
やる気になったようでヨシ。隣で少し不安そうな顔をしているカーリーには、ちゃんとフォローしてあげないとね。
「って、忘れてた。アンタ、今はなんて名乗ってるの?」
「わたくしですか? シアンと名乗っておりますわ。貴方達もそう呼んでくださって構いませんわよ」
「おっけー。じゃあシアン、行くわよ」
イザベル(真)改め、シアンが先導して歩き出す。この辺の態度は、原作とあんまり変わらないわねぇ。
勝手に前を行くシアンを見ながら、そう思うのであった。
「――カーリー、後でいくらでも我儘聞いてあげるから」
「……じゃあ、暫く夜遊びはやめてください」
「分かったわよ、一緒に連れてったげるから」
「や、約束ですよ!?」




