1話――見知らぬ、天蓋ベッド-①
翌朝、起床時間。
貧乏暇なしとはよく言ったもので、私の朝は早い。両親の遺してくれた畑の手入れをしなくてはならないからだ。
これ一本で生活出来るほどは取れないが、生活費の足しにはなる。そのため私にとってはかかせない朝のルーティンなんだが……。
「……やっぱり、夢じゃ無かったのね」
見知らぬ天井が目に入り、それはもう大きなため息をつく。今肺活量を測ったら、プロアスリート並の数字が出るに違いない。
このままもう一度寝てしまえば、もしかするといつもの家で目覚められるんじゃないか。……なんて妄想もしていられない。私はベッド……ではなくその横に敷いた布団から起き上がり、大きく伸びをする。
「あふ……」
大あくびをしてカーテンを開く。朝日と同時に起きる生活をしていたせいで、誰に言われるまでもなく明朝に目覚めてしまった。
(やることは山積みだけど……やりたくない。取り敢えず顔を洗って朝ごはんでも食べるかしらねー)
私が窓の外、綺麗な朝日を見ながら指を鳴らすと、水が落ちるような音と共にスライムのような何かが現れた。
私の使い魔(?)である、水妖精のアクアだ。
「アクア、いつものお願い」
「ぷるぷる」
身体を揺らして頷くアクア。そしてスライム状の身体を大きく広げ、私の頭を包み込む。
そして優しく回転。若干息が苦しいのは難点だが、ものの数秒で私の顔と髪は綺麗さっぱり洗われる。
「ぷはー。じゃあウイン、フレア、お願い」
「ぴゅー」
「ぼうぼう」
風を纏った緑色の風船と、炎の体を持つ鳥がやはり天井から降りてくる。アクアと同じ使い魔的な何かだ。
二人から温風を受け、顔と髪を乾かす。櫛もアクアがやってくれるので、私は突っ立ってるだけで朝の用意が終わるのだ。
「よし、完璧ね」
三体が跳ねて私から離れる。お礼を言うと、各々テキトーにその辺で寛ぎだした。
その様子を見て私は、この体になっても固有魔法が発動したことにホッとする。
(でもまさか、ここから家ほど離れているのに解除出来るなんてね)
私の固有魔法は使い魔の召喚……に近いが似て非なる物。物体にAIを付与して使い魔にする魔法だ。
AIなので感情は無いが、学習して成長する。そして元となった物にまつわるものを操る力を持つ。
水に付与すれば水の能力を持つ使い魔に、炎に付与すれば炎の能力を持つ使い魔に。
風だけはどうにもならなかったので、紙風船を作って使ってみたら風の使い魔になった。
「今日もみんな、ありがとう」
この子たちにあげられる物は無いので、お礼だけは言っておく。
そうこうしていると、ドアの前に人の気配が。
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