4話――暴れん坊悪役令嬢③
私が叫ぶと、いきなりフィンガースナップの音が響く。それと同時に被害者である女性たちが全員消え、代わりに服を纏ってないおっさんたちがあらわれた。
「なっ!?」
「うお!?」
「ふ、服は!?」
混乱するおっさんたち。よく見ると先程のお茶汲みイケメンもいるーーなるほど、上にいた人間と入れ替えたってことなのね。
服が無いのは……人は身体しか送れないとかそういう縛りでもあるのかしら。
「人使いが荒いですね……ボク、眠らされてたんですけど」
ジェイソンと入れ替わったカーリー。やれやれと言った雰囲気で肩をすくめた。
「護衛のくせして気持ちよく寝てるからでしょ!」
そう言ったと同時に、景色が変わる。いつの間にかカーリーの隣に場所を移動させられていた。
「物を入れ替える魔法? それにしては手も叩いてないし、手術室も出してないようだけど」
感心してそう褒めると、カーリーはやれやれというふうに首を振った。
「敵の強さに合わせなきゃいけない、少年漫画と一緒にしないでください」
そう言って再度指を鳴らすカーリー。次の瞬間、部屋の中にいる男どもが全員床に埋められた。
「――物と物を入れ替えるだけなら、制限も発動条件もなんて無いですよ」
「やるわね……おっと!」
ジェイソンが襲い掛かってくる。私はバク中してそれを躱し、カーリーに叫んだ。
「雑魚はとりあえずやっといて! 私はこのデカブツをやるわ!」
「分かりました!」
着地と同時に、ヒールのせいで少しだけバランスを崩す。そこを狙ったようにジェイソンが蹴とばそうと足を振り上げた。
こんな筋肉ダルマの攻撃をまともに受けたくは無い。私は蹴りで迎撃しようとするけれど、スカートのせいで足が上がりきらず吹っ飛ばされてしまった。
「ああもう! 邪魔!」
立ち上がると同時に地面を踏みつけ、ヒールをへし折る。木が砕ける音と共に勢いよく吹っ飛び、その辺にいたおっさんに突き刺さる。
さらにスカートの裾の部分から思いっきり破いて強引にスリットを作り出した。だいぶセクシーな格好になっちゃったけれど、いたしかた無いわね。
「げへへへ、おいらに犯されやすくしてくれたのかぁ」
「んなわけないでしょ下衆の極みクズめ!」
飛び上がってハイキックをぶちかます。しかしジェイソンは壁に叩きつけられるが、痛みが無いのか平然と立ち上がってきた。
これは面倒な相手ね。
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