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27話――アブサン~のんべ竜④

 取り敢えずレイラちゃんなら説得力あるでしょ。


「私は体質が……なんかおかしいらしくて。それを錬金術で調整して、使いやすくしてくれたのよ」


「なるほど……そうか、そうじゃったか。錬金術師なんて何十年ぶりに聞いたからピンとこんかったが……言われてみれば、奴らはそういうことをやっとったな。ワシもこの体質をコントロールできるまで奴らに助けられたモンじゃ」


 ……お、おお。なんか彼に刺さったらしい。

 私はホッとしつつ、彼女をユウちゃんにパスする。いつまでも抱えていたら面倒だし。

 ユウちゃんはレイラちゃんを部屋の端っこまで連れて行くと、床に寝かせて自分の上着をかけた。ここまでされて起きないレイラちゃんも中々ね。


「まぁ、納得してもらえたなら良かった。……それで、さっき依頼が達成できないって言われてたけど、別の依頼もあるの?」


「え、あ、はい。依頼主は明かせないんですが……マータイサにいる超級並みの実力者が、どれほど強いかを測るように言われたんです」


「ふぁっふぁっふぁ。まぁ騎士じゃ無かったとしても、在野の人間が超級並みの力を持っとったら困る奴はどれだけでもいるモンじゃからな」


 豪快に笑うジル。確かに……国家が雇う騎士以外や冒険者以外にも暴力を生業にしている連中はいるからね。

 そういう奴らからすれば、どこまで手を出していいか……っていうのは、是非とも知りたい情報だろう。

 私が納得していると、アビゲイルは改めて頭を下げて来た。


「この度は……幾度も失礼なことをしてしまい、申し訳ありません」


 ジルもついでのように軽く頭を下げる。この態度……私はあんまり会ったこと無いけど、超級の冒険者に共通するんでしょうね。

 自分よりも強い生き物はいないという、自負。


(私の蹴りでもビクともしてないんだもんね)


 本気で蹴ったわけじゃないとはいえ、蹴られてすぐ立ち上がるんだもの。原作最強の身体能力は返上した方がいいかしら。

 バトル物じゃないんだから、パワーインフレは勘弁して欲しい。


「まぁ失礼もどうでもいいわ……あ、やっぱなし。こんだけ失礼働いたんだし、うちで雇われない?」


 私がアビゲイルの方を向いてそう言うと、彼女は苦笑して首を振った。


「いえ、父は特定の方に雇われるということはありません。自分で受けると決めた依頼しかやらないので……私も長くマネジメントしていますが、仕事を取りに行くこともなく殆どお金の管理だけです」


「ますます気に入ったわ」

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