表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/312

4話――暴れん坊悪役令嬢②

「格? はっはっは、別に悪党かどうかはさておいて……このラウワの支配者の一人、オルカ・ホーストライプ。私に逆らって無事に帰れると思わぬことだ!」


「支配者ぁ!? 支配者は領主であるこの私一人に決まってるでしょうが!! ――閻魔様の作った地獄じゃ生ぬるい。この私が直々に、アンタたちを地獄に叩き込んでやる! エンベッド!」


 私が指を鳴らすと、部屋の靄が手元に集まる。


「な、なんだ!?」


「クスリが……!?」


 驚愕に顔を染めるオルカたち。彼らが怯んだ隙に、私の魔法は完了。麻薬は煙の魔物となって、私の使い魔になった。

 名前は『ラリー』にしようかしら。


「久々ね、使い魔を増やすなんて。ラリー! こいつらを叩きのめすわよ!」


「らりらり!」


 私はオルカをめがけて一直線。ラリーと共に殴りかかる。


「っとぉ!」


「おお、マリン! 死なない程度に痛めつけてやれ!」


 間一髪、マリンが私とオルカの間に滑り込む。私は舌打ちして、彼を一喝した。


「あんた! いくら親でも、こんな蛆虫庇い立てする気!?」


 腹を思いっきり蹴り飛ばす。しかし如何に最強の肉体を持っとはいえ、喧嘩は素人。簡単に止められてしまった。

 すぐにアクアとフレアで迎撃を――と考えていたら、マリンはポツリと呟いた。


「逃げろ。あんた一人ならなんとかなんだろ」


 私だけに届くギリギリの声量。罠では無さそうな真剣な雰囲気で、一瞬呆ける。


「……あんたは親父の恐ろしさを知らねぇ。楽に死ねないぞ」


 まだ倒れているカーリーを見る私に、マリンは首を振った。


「あっちは助けられねぇ。早く行け」


「お生憎。はなっからもうブチのギーレェなのよ。ここで逃げる手は無いわ」


 私は膝蹴りをマリンに打つと、やはり止められる。彼はこちらに軽いパンチを出しながら、若干辛そうな顔をするが……私の意思が固いと悟ったかため息をついた。


「……後悔しても遅いぞ。オレはもう助けねえからな」


「上等よ。どっちが悪役か思い知らせてやるわ」


 私が思いっきりハイキックをぶちかますと、マリンはそれにわざと当たってふっ飛ばされる。そして壁にあたって、気絶したフリをした。


「ま、マリン!? おのれ、お前を作るのにいくらかかったと思っている! ……仕方あるまい、出てこいジェイソン!」


 不穏なセリフと共に、パンパン手を鳴らすオルカ。

 すると部屋の奥……死屍累々となっている女の子たちの間を割るように、腕くらい太いピーーーを股にぶら下げた筋肉ダルマが出てきた。 


「キモっ!」


 服は着てないのに何故か、顔に紙袋を被った大男。全身の血管が脈打っており、見ているだけで吐き気を催しそう。


「ふはははは! ゆけ、組織の最高傑作の一つ! 13ナンバーズの一人、ジェイソン!」


 組織って何よ最高傑作って何よ!! ここにきて新情報を出さないでくれる!?


「ごばばばば! いい女じゃねぇか……これならオイラが突っ込んでも壊れそうにねぇなあ!」


「セリフがやられ役のそれなのよ! ってかカーリー! そろそろ起きなさいよ!!」



「面白い!」、「続きを読みたい!」などと思った方は、是非ブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が速くなるかもしれません!

是非よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ