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25話――MMR~マジで無敵な領主たち~③

 私は少し考えてから、口を開く。


「えーっと、それを話すなら……アンタに『口止め』をお願いしたいんだけど。皆、出てきて」


 私が言うと、マリンとレイラちゃんが姿を現す。ギョッとした表情でロットが剣に手をかけ――そして、レイラちゃんの顔を見てわなわなと震え出した。


「……は、いや、え……!? あの狂える天災錬金術師マッド・ディザスター・アルケミストまでイザベル……さ、様の所に……!? 原作でそんなんなってなかっただろうよ……!」


「アンタそんな中二臭い名前で呼ばれてるの?」


「心外ですねー。人体実験やりたくて、二、三個反社を潰しただけなんですけど」


 十二分に天災ね。

 まぁマッドディザスターは置いといて……私は自分の足元を見る。今日は戦闘する気無かったから、やっぱりハイヒールなのよね。

 まぁ、殺し合いまではいかないでしょうし大丈夫か。


「ガースリー、アンタも今から私が言うことは他言無用よ?」


「え、あ、はい」


 素っ頓狂な声をあげるガースリー。『組織』のことは知ってるのに今更なんだろう、って感じかしら。確かに秘密がそれだけなら、彼に断りを入れる必要は無いわね。

 私はニッコリ笑顔を作り、彼を見た。


「私の名前は最上和香よ、アンタの名前は何かしら。ロット・ランス」


 その一言で目を見開くロット。こいつはあんまり修羅場を潜っていないのか――それとも、転生して日が浅いか。殆ど腹芸が出来ないのね。

 いやまぁ難しいわよねー、ポーカーフェイスとか。なろう作品とかでこともなげにやってるの見たことあるけど、元陰キャにあんなん無理よ。


「いや、あの」


「知ってるんでしょう? ニヨニヨ屈指のネタキャラ。悪役令嬢、イザベル・アザレアを!」


 目を泳がすロット。アニメや原作って単語で殆ど確定していたけど、これで絶対ね。私は彼に近寄ると――彼は首を振って二歩も後ずさった。


「し、知らない知らない! 俺はロット・ランス! そんなネタ動画なんて知らない!」


「なんでニヨニヨが動画投稿サイトだって知ってんのよ。語るに落ちるとはこのことね」


 ロットはどうにも異世界人で且つ転生者であることを隠しているみたいね。


「もしも――アンタが約束を破るつもりなら、私がぶん殴るわ。アニメ見たなら知ってるでしょう? アニメ最終話から一つ手前、私が何したか? アレ、力の半分もあれば出来るわよ」


 ぬん、と胸を張る。第一騎士団の群れを薙ぎ払いながら王子のところへ突撃するあのシーン……最終的にロットと主人公、あともう一人の攻略対象に阻まれるわけだけど。

 ロットはあそこで大怪我するのよねぇ。

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