表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

144/312

21話――増殖! 真の危機!?⑧

 せっかく教えて貰ったけど、私にはそんな器用な真似出来っこない。仕方ないので、フレディのパンチを躱すと同時にそっと手を握る。

 そしてなるべく優しく、そーっと……空の彼方へ投げ飛ばす。


「ぱやっ」


 変な声をあげながら打ち上げられるフレディ。ユウちゃんが気絶させてくれた奴も、一体を除いて投げちゃいましょう。


「ヨシ!」


「いやヨシじゃなくてですね、イザベル様。どうします? 一晩経てば消えるらしいですけど、一晩待ちます?」


「嫌よ、眠いし。ってわけで、レイラちゃん起こして倒し方聞くわよ」


「レイラさん、分かるんスかね?」


「知らないわよ。でも私たちの誰よりも詳しいじゃない」


 地面に転がされているのに起きないレイラちゃん。この子の肝の座り方は……大物ってレベルじゃないわね。


「見つけたぞ! イザベル」


 私が指示を出した所で、ガーワンがこちらへ跳躍してきていた。側に着地し、その勢いで腕を振り下ろしてくるガーワン。

 その攻撃を躱し、その辺の砂を掴んで目に投擲した。咄嗟に回避したガーワンだけど、その隙に懐に潜り込んで腹に思いっきり蹴りを入れた。


「うぐああああああ!」


 野太い声で叫びながら、吹っ飛んでいくガーワン。その体が光り、さらに巨大化するけれど……まぁ、数が増えるわけでも無ければダメージは入るみたいだし余裕ね。


「フレディの方は武道もやってるし、自分の能力に造詣が深いからか……避けないで攻撃してくる。だから厄介」


 だけど、ガーワンは今日改造人間になったからか能力に対する考察が浅い。さっきの攻撃だって、当たれば大きくなれるのに……礫を回避した。

 やっぱり厄介なのはフレディの方ね。


「起きてくださーい、朝ですよー」


「ううん……あと五年……」


「そんなに待ったら狩人×狩人が終わっちゃうわよ」


「終わりませんよ。なんなら始まりませんよ」


「起きてるじゃない!」


 割とハッキリした寝言をほざくので叩き起こすと、彼女はちょっとムッとした表情で私の方を見て来た。


「なんですか、イザベルさん。夜更かしはお肌の天敵ですよ?」


 毎晩のように徹夜して実験してるこの子に言われると、かなり腹が立つわね。っていうか私だってしたくて夜更かししてんじゃないわよ。


「ほら、そこに改造人間を生け捕りにしといたわよ」


「へ? わぁ! わー、わー! いいですねー! 状態も良いし! 実験し放題、調べ放題ですね! イザベルさん大好きです!」


「心にも無いこと言ってないで。かくかくしかじか、時間が無いからすぐ動いて」


「面倒ですね。っていうか、軽い衝撃なら大丈夫で気絶もするんですよね? それなら調べるまでも無く簡単じゃありませんか?」


 なんかちょっと不満そうに言うレイラちゃん。彼女は気絶しているフレディに近づくと、その口に何かを押し当てた。

 そして数秒でレイラちゃんは頷いて立ち上がる。


「うん、やっぱり簡単ですね。じゃあイザベルさん、やることは言うんで……一体でも多く一か所に集めてください」


 何が分かったのか、何が簡単なのか分からないけど……まぁ、この手の改造人間だなんだについてはレイラちゃんの方が詳しいからいうこと聞いておこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ