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21話――増殖! 真の危機!?⑥

 でもまぁ、戦って倒せないってことも無いだろうけど……さっき雑にアクアとウインを使ったのが響いてるわね。衝撃を受けたら増えたり大きく成ったりするっていうなら、フレアで焼き尽くすしかないけれど……こいつら、炎も利くのかしら。

 私は戦い方に頭を悩ませながら、言葉を続ける。


「っていうか、ガーワン! アンタ、私とやる気? 今すぐ逃げた方が良いんじゃない?」


「ふははは……ふははははは! ついに、ついに手に入れたぞ改造人間の力を! この力さえあれば、どんな敵も恐るるに足らん!」


 私の話をガン無視し、自分の力に酔いしれるガーワン。救いようのないクズはジロリと私を睨むと、勝ち誇ったように床を指さした。


「もうこの世に、私を脅かすものなど存在しない。――舐めろ、イザベル。私の足を。他の貴族のように、私に敗北した貴族のように! 首を垂れ、命乞いしろ! そうすれば、家畜でなく奴隷として扱ってやろう!」


 馬鹿がふざけたことを言いながらゲラゲラと笑い、それを『よく言った』みたいな雰囲気で頷くフレディ。こいつら……救いようのないクズだとは思っていたけれど、本格的に生きてる価値無しね。

 私は床を踏みしめ、ガーワンとフレディを睨みつける。


「アンタ達……! 閻魔様の作った地獄すら生ぬるい! 私が直々に地獄にぶち込んでやるわ!」


「出来もしないことを言わない方が良いですよ!」


 素早くこちらへ突っ込んでくる数体のフレディ。ユウちゃんが地面をダンジョン化させて数人を消し飛ばすが、その攻撃でも増えるフレディ。


「チッ!」


 私は左右から打たれた蹴りを回避し、その腹に渾身の蹴りを叩き込む。その衝撃を吸収しきれずに一体のフレディは爆散したが――その死体が光り、さらに五十体くらいのフレディがポップコーンみたいに増えた。


「うわっ、即死させてもダメなのね!」


「女神! 一旦引こう! 数が多すぎる!」


「逃がさんぞ、イザベル! どんな鎖で縫い付けてやろうか!」


 真上から、二十メートルはありそうなガーワンが拳を振り下ろしてくる。ユウちゃんも私も跳躍してそれを躱すが、何人もいるフレディたちに囲まれてしまった。

 着地狩り――降りると同時に最低でも十体に囲まれる。ユウちゃんは剣を抜くと同時に抜刀術で全員の首を切り落とし、私は廻し蹴りで囲ってきたフレディの首を切り落とした。

 しかし、増える。


「ああもう!」


「ははは! ……えっと、あの、僕らのスペックってオリジナルと変わらないんですけど」


「なんでただの蹴りで僕ら、一撃でやられてるんですか……?」


 不思議そうにしながら襲い掛かってくるフレディ軍団。確かにユウちゃんの言う通り、カーリーたちと合流した方が良さそうね――


「はれ?」


 ――ふっ、と視界が変わる。すると私たちの横にはいつの間にか、カーリーとマリン、そしてガースリーが立っていた。

 見た感じ、ここは森かしら。基本的に貴族の屋敷ってのは、街から離れた森の中などにある。庶民と側にいる方がリスクが高いからね。

 ってわけで、ここはたぶんレギオンホース邸の側の森なんでしょうけど……。

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