表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/312

3話――ラウワの帝王-②

 私の言葉に頷くカーリー。一旦二人で深呼吸した後、「よし」と気合を込めて扉に手をかけた。


「お邪魔しますわ」


 開けるとドアベルの音が鳴り、中からなんとも言えない空気が流れてくる。淀んでいるというか、荒んでいるというか。

 何にせよ……カタギの空気は流れていない。


「はーい、いらっしゃいませ。冷たいお茶とお茶菓子をどうぞ」


 微笑みの眩しいイケメンがお茶を持って登場した。私たちが男だったら、たぶんカウンターの奥にいる美女が出迎えてくれたのだろう。

 部屋はカウンターで半分に分かれており、奥には明らかにヤクザな従業員たちが。入口側のスペースには三人がけのソファーが二つとローテーブルが置いてあり、商談スペースになっているようだ。

 手続きはカウンター、話はテーブルで……って感じなのかしらね。

 私は咳払いしつつ、イケメンから差し出されたお茶を拒否した。


「お茶しに来たわけじゃないの。オルカさんはいらっしゃる?」


 私が問うと、室内に緊張感が走る。それもやや剣呑な雰囲気だ。

 いきなりトップを出せなんて言う奴、警戒して当然だと思うけどね。

 とはいえここでモタモタしているのも意味が無い。私はさっさとサングラスと帽子を取った。


「なっ!」


「あ、あなたは!」


 途端にざわつきだす店内。ちょっとだけ黄門様の気分を味わいつつも、お茶を持ってきたイケメンの方を見る。


「イザベルが来たと伝えて」


「は、はい」


 慌てつつカウンターの方へ引っ込んでいくイケメン。私はカーリーを連れて、ソファに腰をおろした。


「お茶くらい貰っても良かったんじゃないですか?」


「毒が入ってないとは限らないじゃない」


 流石に毒は無いかもしれないけれど、用心するに越したことは無い。

 数分も経たず、中から禿げ上がった中年男が一人出てくる。ライトとドローが描いてくれた特徴にピッタリ、あれがオルカね。


「これはこれはイザベル様……! 仰ってくだされば、いつも通り使いのものを送りましたのに。今月のご返済の件……ですよね?」


 もみ手をしながら出てくるオルカ。しかしその目はじっとりしており、こちらを値踏みしていることが伝わってくる。

 基本的にヤクザは舐められたら負けなので、どんな相手でも下手に出ない。しかしこの男は平然と腰を折っている。

 半分以上商売人になっているのだろう。プライドを曲げられる男は厄介だ。馬鹿みたいに暴れてくれる方がまだやりやすい。


「面白い!」、「続きを読みたい!」などと思った方は、是非ブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が速くなるかもしれません!

是非よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ