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2話――会議はお茶と踊る-④



 そう言いながら、私は紙を持ってくる。そして再度、ライターを呼び出した。


「というか、紙ってこんなにたくさんあるのね。私の住んでた村では貴重品だったから驚きよ」


 いつも木の板を持たせ、そこに描いたり書いたりして情報収集していた。それ故に、さっき使用人室みたいなところで大量に紙を見つけた時は驚いたのだ。


「ゲームでも言及されていましたけど、製紙技術と活版印刷の技術はありますからね。地球とは紙の原料が違うだけで。だからちゃんと都会であれば安定的に供給されていますよ」


 暗に――というか思いっきり田舎者と言われてしまった。どうせ私は田舎の村娘ですよ。


「まぁいいわ。ライター、お願い」


「ふでふで」


 身体を揺らして答えるライター。私は紙を机に置いて話し始める。


「現状、案は三つ。一つ目は一番簡単で、一番効果的な時間稼ぎ。持ち物を売って現金を作る」


 私の喋る言葉を、紙に書き出してくれるライター。

 今回支払う額は十万ミラ。ドレスの一着や二着売れば簡単にそれくらいの金額を作ることは出来るだろう。時間的に質屋はまだ空いているだろうし。

 イザベル(真)は馬鹿だが、さすがにすべての衣服が抵当権をつけられているわけもあるまいし――


「えっと……じゃあ早速、まだ担保に入れてない物を探しますね」


 ――なんだか、歯切れの悪い喋り方のカーリー。私は嫌な予感を覚えつつ、彼女に尋ねた。


「ねぇ……カーリー、まさかとは言わないけど……」


「その……まさかですね。その手は飽きるほど使ってきたので……」


 オーマイゴッド。

 顔に手を当てて空を見る。そりゃそうだ、こんな簡単な手……イザベルが思い当たらないわけがない。そして彼女の性格からして、それをすることに躊躇は無いだろう。

 よく考えたら騎士団を解散させてまで金を節約している領地だ、どこまで抵当権がついてるか分かったもんじゃない。


「もっとしっかり資料見るわ……。えーっと、じゃあ二つ目の案。お願いして待ってもらう」


 こっちは貴族で、領主だ。まさか強硬手段に出ることもあるまい。カーリーも複雑そうな表情で頷く。


「やっぱりそれしか無いですよね……」


 アンニュイなため息をついたかと思うと、はっとした表情で自らの肉体を抱きしめた。


「で、でも『利子代わりにそっちの女を置いて行ってもらおうか』とか言われちゃったらどうしましょう!」


 きゃー! なんて言って、タコのように顔を赤くして体をくねらせる。

 そんな彼女を見て、私は遠い目で窓の方を見た。


「ロリコンってこっちの世界にもいるのかしらね」


「どういう意味ですか! ボクは二十歳ですよ!」


「十歳児の肉体に欲情したらロリコンでしょうが!」

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