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青春とは。  作者: 無名の猫
第二章 体育祭は疲れるだけの行事
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第九話 笑舞の嘘はありきたりだった。

 笑舞の腕にある無数のあざを見つけてから生物部の教室内には、不穏な空気が流れる。

 そんな中、俺が笑舞に聞く。


「コレって何?」


 俺がそう聞くと笑舞は手の前にあった手を少しずつ下に持って行き、目を覗かせた。

 それと同時に笑舞も話し出す。


「コレは、ちあ……」


 笑舞が何か言いかけた時千秋はそれを遮るかの様に言う。


「笑舞はDVを受けてるのぉ。だからこんなに痣があるの」


千秋アイツ嘘を吐く時は上手いのにその吐いた嘘が下手くそだな。

 嘘と分かっていても本当にDVを受けていたらそれは事件だ。なので一応確認として笑舞に聞く。


「笑舞それは本当か?」


 笑舞は俺と笑舞を交互に見た後に話し出す。


「……そう。コレは、父親にやられたもの……」


 そう来ると思っていた。

 だって笑舞は千秋に従って居るんだもの。

 犯人が千秋だって事は分かっている。

 あの千秋の笑舞に対する態度、言葉。

 絶対笑舞の事大事に思ってねぇじゃん。

 っあそういえば、『〜〜じゃん』って神奈川弁らしいね。クソ情報じゃん。

 チッ。どうやって嘘だって吐かせ……そうか、その手があったか……!

 どんな方法だって? 行動で見とけ。


「そうか、父親にやられたのか。仕方ないな、じゃあ通報するしか無いね」


 嘘なんだから通報なんてされたらひとたまりも無いだろう。

 だから俺はそう言った。

 そして笑舞は動揺する。


「え、嫌、なん……で、通報……する……の?」


 笑舞が声を震わせながら言う。


「決まってるじゃん。だってDV受けてるだろ? そんなクソ親父なんて通報しちまってサヨナラバイバイしか無いだろ? あれ? 俺変な事言ってるか?」


 あれ? もしかして僕、かなりキショい?

 …

……

………

…………キショいな。それもかなり。

 そして笑舞は泣き出した。


「なんで泣くんだよ。そんなクソ親父」


 俺がそう言うと、笑舞は大きな声を上げる。


「お父さんは悪く無い!」


 笑舞には可哀想だが俺にはこんな事しか出来ない。

 

「DV受けといて? 親父は悪く無いって? 何でそんなクソ親父構うんだよ」

「お父さんをクソ親父って言わないで! お父さんは……お父さんは……!」


 俺と笑舞の話には何故か千秋が入ってこない。こう言う時こそ入って欲しかったんだけどになぁ。

 まぁ良い。

 笑舞が少し間をとってからまた話す。


「実は……全部……嘘」

 

 おおむね予想通りだった。

 だってサァ、そんなクソ人間(妄想の中の親父)普通庇うか? あんなに。※個人の意見です。

 累花は生物部の看板ーー兎を触っていた。

 それは俺のウサ太郎なのに!

 っあ今は笑舞と千秋の話だから、そっちに移らないと。


「じゃあ逆に聞いちゃうと誰にやられたの?」

「それは……」


 笑舞がなにか言いかけている中、1人の女子が話し出す。

 ……それは千秋だった。


「なぁ笑舞、どう言う事だよ」


 千秋は見た感じ、かなり怒っている。と、見られる。

 はぁ。めんどくせぇ。

 水野先生来ないかな……

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