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青春とは。  作者: 無名の猫
第二章 体育祭は疲れるだけの行事
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第二十八話 俺が嫌いなもの。

はい、6分遅刻。

 駅にて。

 いつもの如く改札にmelonをかざすと『ピー!』と大きい音が鳴る。

 残高不足の証拠だ。


「っあ、melonの残高無いからちょっとチャージして来るわ」


 残高が無いので俺がそう春下に伝えると、春下は改札越しで片手を上げた。


「りょ、待ってるわ」


 りょ。だって。最近の子は変な略称使ってねぇ〜?

 チャージをしに切符売り場へ行き、チャージを施した……。


           *


 チャージが終わり、しっかり改札を通り抜けた後階段を降り、春下を探したが春下の姿は見える事が無かった。

 あ〜、もう行ったの? ……でもそっか。発車時間ギリギリだったし。でも。

 誘っておいて一人で行くのは流石に酷くね?

 そう思いながらイヤホンを取り出し、駅にある椅子に座ろうとした時……


「辞めてください! 離して!」


 どこからか春下の悲鳴が聞こえてきた。


「春下!?」


 春下の声があった所へ向かうと、そこにはいかにも陽陽してる奴らが三人ほどで春下を取り囲んでおり、その中のリーダー格と見える金髪が春下の腕を掴んでいた。

 

「お嬢ちゃん、一緒に行こうか」

「いやだ! 辞めて!」


 そう言って春下の手を引っ張る男性を必死に抵抗する春下。

 たす、けなきゃ。

 散々やな事されたけど、そんなの関係無い。

 助けて……助け出さないと。

 何と言われても良い。キモがられたって良い。

 困っている人がいたら、助けないと。

 そう言って動き出そうとしたが、足が動かなかった。

 なんで? なんで動かないんだよ!

 怖いのか? ()()殴られるのが怖いのか!?

 ただ、立ち尽くしていた。少し、息を荒くしながら。

 俺は視覚に集中させる。

 春下は何とか逃げようと手を払おうとするが、男性達はそれを引っ張って逃がさない。

 動け、動け動け動け動け!

 なんでこの足は動かねぇんだよ!

 再度、深呼吸をして少し心を落ち着かせる。

 動け、動け、動け!

 そして俺は再起動を始めた。

 そして一番に話しかけたのは近くにいた他人だった。


「す、すみません。あの、駅員さんを呼んで来てもらって良いですか?」


 そう言うと、その人は少し戸惑いながらも、走って階段の方へ向かった。

 その人を少し見届けた後、後ろを向き、男性達に話しかけた。


「ん、ふぅ。すみません」


「あぁ? んだ?」


 俺がそう言うが、男性には届いておらず威圧的に問い返す。


「あの! すみません!」


 それには動じず、大きな声で男性に言う。それに耳を塞いで聞く男性。


「おう? なんだ? うるせぇなぁ」

「あ、あの、すみません。手、離して下さい」

「なんでさぁ」


 そう聞かれると、春下の掴まれている方の手を見て、答える。


「手、震えてるじゃないですか。……触らないで下さい……」


「っ! 累……」


 俺の言葉に春下が、小さく言う。

 

「いやいや、大丈夫だよねぇ。ね? お嬢ちゃん」


 そう言い、もう1人の男性が春下に手を伸ばすのでその手を弾く。

 こういう相手は、俺じゃ足止め出来ない。後1分で電車も来るし、電車が来ちゃったら春下はお持ち帰りされてしまう。

 でもどうやって足止めするか……

 そうやって脳をフル回転させて自分に自問自答する。

 春下を連れて逃げる? 

今の春下は腰が抜けてるからすぐ追いつかれるか。

 電車までついて行く? 

 その後どうするんだって話。

 色々考えたが、答えは出なかった。

 いや、一つだけ策がある。

 それは『挑発』。

 こういう奴らは以外とプライドが高い。

 そうだ、挑発で時間を稼ごう。


「手、離せよ。社会不適合者」


 挑発を行うと、案外すぐ乗っかってくれた。


「なんつったガキィ!」


 これから何か時間稼ぎを……


「ゴンッ」


 急に顔に衝撃が走る。どうやら殴られたらしい。

 少しふらつきながら男性を見つめる。


「結局暴力かよ! そう言う事しか出来ないんだな!」


 少々笑いながらそう言うと、男性のリーダー格が親指を下に向け、首の前で横にスライドさせた。


「お前ら。コイツ、半殺しで」


 その瞬間、おれは腹を蹴られた。

実は、青春とは。には原稿があります。原稿が見たい方は是非コメントしてみてください。次話の最後に載せときます。

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