第二十五話 冬のテンションは朝から全開だった。
そういえばこれ、体育祭編だったな……
「ルイルイ〜? ルイルイ〜!」
目が覚めると、ノーブラの女帝——冬が俺を揺さぶっていた。
うっすら浮かび上がってる所、最高です。ありがとうございます(?)
「ん? どうした?」
「ん、朝ごはん作ったから、食べて」
「その前に、2つ聞きたいことがある」
「何?」
「1つ、なんで抱きついて寝てたの?」
「それは」
「2つ、なんでノーブラだったの?」
「それは……って見たの?」
「抱きつかれてる時に、ガッツリ」
「ルイルイの……エッチ!」
そう言い、冬は俺をペシペシ叩く。でも、そういう冬は、少し嬉しそうだった。
「すまん、すまん。っあ、後10分間位関節キスしてた」
途端に冬の顔が「カァーッ」と赤くなる。
「ルイルイ! なんでそんな事すんの!?」
「いや、冬からやってきたんだもん」
「……そっか」
そう言い、顔を赤くしながら冬は自分の唇を人差し指と中指で抑える。
「ノーブラはワザとだし、キスは寝てたんだから仕方ないじゃない」
冬がボソッとそう言うと、俺は思いっきり頭を壁にぶつけ、3分くらい失神した。
*
「朝はパン♪ パンパパン♪」
意識が戻って早5分。俺が制服に着替え、下へ降りると冬が元気に歌いながらトーストを焼いていた。
裏では双葉が卵を割っているのが見えた。
数分後「チンッ」と音がなり、冬がトーストを取り出す。
途端に良い匂いがリビングを覆う。
「双葉ちゃん双葉ちゃん。そっちはどう?」
エプロンをしながら料理をする双葉が、一瞬手を止めて冬に向けて親指をグッと上げる。
結局、どっちなの? それ。
「そんじゃあ、私とタバちゃんの、ルイルイ持て成し作戦実行!!」
冬がそう言うと、双葉は小さく「ラジャー!!」と敬礼している。可愛い。
「ルイルイ、ほら、出来た! 食べて食べて!」
そう言って目玉焼きとサラダ、ソーセージを挟んだサンドウィッチを出した。
あ、意外と美味しそう。
そして俺は手を合わせ——
「いただきます!」
*
「ご馳走様でしたぁ!」
「はい! お粗末さま」
サンドウィッチを見事に平げ、手を合わせながらそう言うと、後ろにいた冬は笑顔でそう言った。
リュックを取りに行く為2階に行き、2階から降りてくる際、
「ルイルイ」
階段を曲がった所で冬に話しかけられた。
「ん? どうした? 冬」
すると冬はスマホを突き出す。
「あのさ。お兄ちゃん読んだから乗ってかない?」
これはお誘いか? お誘いなのか!?
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「ん、じゃゆっくりしてこ」
「そうだな」
廊下を少し歩き、リビングへ出ると冬はソファーに座った。
「ポンポン」
冬がソファーを2回、優しく叩く。
「ルイルイ、おいで」
冬がそう言い、両腕を広げる。
いや、ハグしねぇよ?
「もういい。ハグしなくていい」
そう言うと、冬は少し幼稚っぽい口調になる。
「いーやーだ! やだやだ! だって次ルイルイといつ会えるか分かんないんだもん! いいじゃん! 少しくらいぃ〜!」
本場の赤ちゃんかよ……
「はぁ。いいよ」
そう言い、俺は冬に体を預ける。
「ギュー」
途端、思いっきりハグされた。
「昨日のファミレス思い出すわ、これ」
「そうだね、いいね」
不意に耳元で囁かれる。
「ねぇ、ルイルイ。キス、して良い?」
「何でだよ」
「ルイルイの事、好きだから」
「っ!?」
それは昨日のごまかしなど無く、ただの告白だった。
「それってどういう……」
「だから、大好きだよ。愛してる」
その後、頭をわっしゃわしゃされその後、冬はニコリと笑った。
「これ、俺何されてんの?」
「愛でてる」
「いや、愛でてるって……」
そして少々撫でられ(愛でられ)た後、冬はもう一度俺を強く抱きしめ、「ふふっ」と笑うと俺を離した。
「やっぱり、お兄ちゃんの方が好きだなぁ」
「お兄ちゃん? それってどういう……」
ガチャリ……
左から戸を開ける音が聞こえて来たので、そちらに目を向けると、秋が居り、冬の姿を確認するとそっと微笑み、こう言った。
「冬。お迎えに来たよ」




