表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青春とは。  作者: 無名の猫
第二章 体育祭は疲れるだけの行事
15/39

第十五話 キモ過ぎる程に青森累は勘違いが過ぎて居た。

今回少し長いです。

長いって言ったって、いつもの二倍ってだけですけど……

「何で春下、お前が居るんだ?」


 俺がそう聞くと、大きい胸の下で腕を組む春下が廊下の方を一瞬見ながら言う。


「いいわよ、そんなの。そんな事より外で可愛い同類ぼっちが呼んでるから早く行けよ」


 か、可愛い同類ぼっちだと……? 誰?

 可愛い同類ぼっちなんて想像出来……るわ。でも知り合いにそんな奴……青森か。友達出来てないのか、可哀想だな、ぼっちって。※特大ブーメラン

 

「ああ、じゃあ行くわ。隼人ありがとな! ってかぼっちって偏見だろ!」


 そう言いながら俺は可愛い同類ぼっちが居る廊下へ向かった。

 「そんなの、偏見だわよ……」ボソッと春下が言う。んだよ、偏見で人決めつけるなよ! 次から気を付けろよ!


「っあ累君……やっほ……」


 俺が廊下をでると、確かにコミュ症ではありそうな茶髪で短髪の子——雨宮笑舞あまみやえまがおり、雨宮は俺を見つけると小さく俺に挨拶をした。


「っあ雨宮か。おはよう」


 初対面の人は大体下の名前で呼んでるが、少し面識を持つと名字で話しかけてしまうのが俺の癖だ。冬先輩? あの人(アイツ)は例外だね。

 俺が挨拶をすると、雨宮はポッケから何かを出そうと、右ポッケを漁った。


「あった……累君、これ。後で開けてね」


 そう言って雨宮は俺に小さい封筒を渡した。

 感謝金? ねぇこれ感謝金?

 雨宮は俺に封筒を渡した途端に顔色を赤く染め、下を向いてうつむく。

 

「ありが……と」


 俺がそう言うと、雨宮は走ってどっか言ってしまった。


「待って、雨宮……ま、いっか。『後で開けてね』、か……今開けちゃお」


 俺は自分の席に着くと、雨宮から貰った封筒を開けた。

 感謝金〜、感謝金〜、感謝金は……

 封筒の中には感謝金……ではなく、一通の手紙が入って居た。


『放課後、東棟の屋上で待ってる。』


 屋上で、屋上で待ってる⁉︎

 それって、あのシチュエーション⁉︎

 ワオ、ワオワオワオ。

 女子と屋上に2人きり……凄いね、早いよ展開が。

 いや、まだ早まるなよ、青森累。まだあのシチュエーションが成立するとは限らない。ので、俺はドキドキ鳴っている心臓の音を理由に集中できなかった授業の後、雨宮の居る屋上へと向かったのだった……


            *


 放課後、俺が東棟の屋上へ向かって居ると、雨宮と会った。


「累君、来てくれたんだね……ありがとう。……っあ屋上だったね。行こっか」

「ああ」


 そして俺達は階段を登る、登る、登る。この学校4〜5階建てであり、5階などになると登り降りがキツいのである。ちなみに屋上となると……


「ハァ、ハァ。早いよ……累君。もう少し待って……」


 雨宮は両手を膝に付け、下を向きながら息苦しそうに言う。

 現在は5階。後一つ登ったら屋上だ。早くしてくれないかな……ん?

 この学校、馬鹿高くないか? なんでこんな事になってしまったんだ? 意味わかんない。


「ハァ、ハァ。もう大丈夫。……行こ」


           *


 ここは屋上。超高い。そんなのどうでも良く、雨宮が真剣そうにこちらを見つめる。

 雨宮が風に煽られ、スカートと短い髪をゆらゆら揺らすと、雨宮は大きく息を吸い、吐く。

 そして覚悟を決めたのか、雨宮は再度俺の方を真剣そうに見つめる。


「あの、累君!」


 雨宮がそう言うと、風は更に強く吹くと、雨宮はスカートを押さえる。

 今日はいい天気だ。今日は雲一つ無い晴天。


「私! 累君の事! す、す、す……」


 す? すって……もしかして告はk……


「すごく感謝してる!」


 っあ、あー。あーね。はぁ、焦ったぁー。告白されたらすごく困ったぁー。

 雨宮はそう言うと、ホッとした様にため息を吐く。

 こちとらずっとドキドキしてたのに! ドキドキ……してたのに……。


「感謝してるって……?」

「あれから、千秋が……千秋は優しくなったんだ。ありがとう、ありがとう!」


 雨宮はそう言った後、「っあ、そういえば」と言い、スマホを取り出す。


「友達にならない? 2つの意味で」

「2つの意味でってどう言う……?」

LINNEリンネで友達になるのと、現実世界で、仲良くしよう……って事。っあ無理になろうなんていい……」


 そう言い、雨宮は顔を赤くする。


「いいよ、なろ」


 俺がそう言うと雨宮の顔は「パァ」と開き、笑顔になる。


「うん!」


 そういって俺は雨宮にLINNEのQRコードを提示した。

 この日の為、この日の為だけに何処にQRコードがあるのか探してた! 此処で手間取ったらダサいから! そう! 冬先輩の時に手間取って恥ずい思いがあったからね。学習学習。


「っあ来た! って累君アイコン青林檎あおりんごって……ごめん、笑っちゃった」


 雨宮はクスッと小さく苦笑する。 

 アイコン青林檎って悪いか? 悪いか?(反復法)

 リンネ♪と、スマホがなる。そしてスマホを見てみると、雨宮からのLINNEが来て居た。


[それじゃあ、宜しくお願いします]


 その文章と一緒に可愛いゆるキャラの白黒がお辞儀じぎしており、その隣には『お願いします』と書いてあるスタンプが送られて来た。

 ナニソレ可愛い……後で買おっ。

 

[うん、宜しく]


 俺がそう送ると、スマホと睨めっこしている雨宮はニコリと微笑んだ。


「それじゃあ、宜しくね!」


 雨宮は笑顔で手を上にし、手を振りながら階段に続く扉を開け、その中に入って行った。

 その後俺は空を仰ぐと、さっきまで晴天だった筈が、雲がちらほらあった。


「ありがとう、か。いい言葉だな。悪い気がしないな」


          *


 後日、雨宮からLINNEが来た。


[今度、体育祭の実行委員決めるけど、それで体育祭実行委員やってくれない?]


「え、面倒臭めんどくさっ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ