異世界旅情編:第3話 「熱志!全裸で××される!!」
いかん・・・投稿ペースが・・・
毎日、投稿してる先駆者の皆さんを尊敬してます!
「嬉しい誤算だな・・・」
集会場前の広場には火が焚かれ、腐る前に食べてしまえ!とばかりに具沢山の汁物に舌鼓をうちながら食べる村民がいる
集会場、残った家屋、廃材を組んで作った仮設住宅は老人や女子供達を優先的に収容できている
明日になり、更に水が引けば村人全員が屋根の下で眠れそうだ・・・
食料は当初より若干増えている
流されて泥濘に取り残されていた魚
洪水で怪我をして回復の見込みの無い農耕用の牛が2頭、内臓や骨まで余すところ無く食料になる
備蓄庫で泥にまみれダメになりそうな食料の再生で今晩の食事をまかなうことができた
当初は1日最低限の食事と計算して3日分だったが、かろうじて5日は持ちそうな計算である
町へ向かったクベート達が馬に積めるだけの物資を持ち帰ってきてくれれば更に状況は改善するだろう、その後は領主様の災害支援が到着すれば当座は凌げる
「だが・・・復興には何年かかることやら・・・」
「村長・・・」
カテルが木版を片手に報告に来た
「ああ、カテル・・・今日はお疲れさん」
「報告するよ・・・畑は3分の2がやられた。これからの瓦礫の撤去、住宅の建設、復興作業・・・災害時の税と労役の免除を計算に入れても・・・その・・・」
「分かっている、村を維持できない・・・近隣に親戚がいるものにはそこへ疎開してもらう。残った畑のある家族と復興作業に必要な最低限の人手を残し、それでも足りない分は・・・」
「足りない分は・・・どうするの?」
「さぁ?どうしたらいいのか分からん!」
シリアスな雰囲気から一転、軽い口調でばっさりと村長であり兄であるアレンは考えるのを放棄した・・・
「兄さん!それはっ!?」
開いた口が塞がらず、思わず何時もの口調で話しかける
「こんな想定外の災害に、学の無い開拓村の一村長が考えて答え出るか?」
「そ・・・それはそうだけど・・・」
「俺達は神様じゃないんだよ、日々を一生懸命生きて、明日はどうしよう?明後日は・・・ぐらいのことしか考えられない村人だ。無理なものは無理!難しいことはこれから来る偉い人に任せるさ・・・」
「兄さん・・・」
「村長と呼べ!とにかく支援が来るまでやれることをやるぞ!!」
「「「了解です!村長!!」」」
いつの間にか集まっていた村人達が声をそろえて返事をする
ああ・・・やっぱり兄さんは・・・かっこいいや(ウホッ!)
うーむ・・・ちょっと格好つけすぎたか・・・あっ!やべぇ!ステラが爆笑してる!見られた!!
まぁ、結果はとして村人の士気が高まったから良しとしよう・・・だが・・・ちょっと、いやかなり興奮している奴らがいるな?まぁ、落ち込んだ後の緊張感からの開放でハイになってるんだろう・・・早く寝るように指示を出すか・・・特にカテルとその仲間達(メルナル村:独身男性集団5人組)なんか熱っぽく潤んだ目でこっち見てるし、疲れてるのか体が前かがみになってるしな・・・疲労で風邪を引きそうなのかもしれん!いかんな・・・俺もなぜだか寒気がしてきた!今日はステラを抱きしめて寝よう!変な意味じゃないぞ!!なんというか、今日のお礼と言うかぬくもりが欲しいというか・・・何を考えているんだ俺は!?
疲れているんだ・・・休むときはしっかりと休もう!
「おーい、ステラ~」
尚、メルナル村の勝手にランキング集計結果をアレンは知らない・・・(抱かれたい男性ランキングTop)
男女含む集計結果はもちろんのことである
「兄さん・・・」「兄貴・・・」「村長」「アレン様ぁ」「俺・・・もうっ!」
「今日は臨時集会を開こう!兄さんの魅力を語り合おうじゃないか!!」
「「「「応!!」」」」
周りはドン引きである!!
災害後2日目
リルとキールとアリサの仲良し3人組は継続して宝探しをしていた
「昨日は鍋とコップと汚れたシーツが見付かったな!」
「そうだね!キールが瓦礫持ち上げてかっこよかったね!!」
「ちょ・・・何言ってるんだよ!!」
「キール・・・(ウルウル)」
「リル・・・(ゴクリ)」
これである・・・2ヶ月前に恋人になりました宣言からこの調子である・・・
もちろん、今までと変わらず3人で仲良しであることには変わらないのであるが彼氏のいない暦=年齢であるアリサにとっては
「このお茶・・・ハチミツ入ってないのに甘い!」
「なんか二人を見ていると、雨も降ってないのに顔が濡れてくる・・・なんか・・・この雨・・・しょっぱいや・・・」
など不思議な現象が起こるのである・・・不思議だなぁ?
「ちょっと・・・二人とも!今日は何処を探すの?」
慌ててこっちを振り返る二人・・・顔近づけてナニしようとしてたのかぁな・・・ギリッ!
最近、無意識に歯軋りするクセがある・・・注意しないと・・・
「お家のあった所にいってみたい・・・」
「リル・・・多分・・・」
「リルちゃん・・・」
落ち着いてからリルが行き先の希望を告げる
彼女の家は川から程近く、洪水の際に最も被害が大きかった地域にあった
避難の際は着の身着のままで、窓際の宝物だけしか持ち出すことができなかった
そんな彼女の心境を察していた二人は、川には近づくなという大人の警告はあれども反対意見は出せなかった
「リルは、僕が守るよ!」
「私もお手伝いするよ!」
「ありがとう!」
感極まって抱きつく二人・・・そしてそのまま顔が自然と近づいて・・・唇と唇が・・・
ギリッ!ギリギリギリッツ!!バキッ!!
その日・・・アリサの乳歯が1本抜けた(強制的に・・・)
「血が・・・甘い・・・」
結論から言うと・・・リルの家は跡形もなく倒壊して流されてしまっていた
「・・・・・・」
「大丈夫、大丈夫だ・・・か・・・ら・・・」
「うっ・・・グズッ・・・リル、ちゃん」
声も無く泣き崩れて蹲る少女に二人は同じ悲しみをこらえつつ抱きしめることしかできなかった
しばらくして・・・
ググゥウウウウ~~
リルの盛大なおなかの音がした→キール、大爆笑→恥ずかしい!とキールを突き飛ばす→水たまりに倒れこむ→仕返しに泥水をかけようとする→リル見事にかわす→アリサへ直撃→反撃開始→泥人形3体完成
「はぁ・・はぁ・・・」
「ふぅふぅ・・・」
「うぇっ・・・ペッペッ!」
体力を使い果たし自動的に休戦となった
「これ・・・どうしよう?」
「このままじゃ、帰れないね」
「うん・・・」
リルの家には井戸が無く、生活用水は川へ水汲みに行っていた
必然的に川へ向かって泥を洗い流そうという結論になり3人でぬかるんだ道を川原まで向かう
岩や流木を迂回しながら目的地に到着し体や頭を洗い・・・服を脱いで・・・(以下略)
「う~、服がグチョグチョで気持ち悪い~」
「う・・・うん、気持ち悪いね(なぜか前屈み)」
「キール君、おなか痛いの?顔も赤いよ?」
「キール、寒いの?(おなかに手を当てる)」
「あふっ!あっあぁ・・・い・・・いや!大丈夫だから!!(バックステッポゥ!)」
「・・・(ズレて股間に手を当ててた・・・いや、見間違いよね?)」
この日、キールは1歩大人への階段を上った・・・のか?
日向ぼっこで体を温めつつ、たわいも無い会話に花が咲く
「その首飾り、ちゃんとしてくれてるんだ」
「うん!避難する時もこれだけはちゃんと持ち出したんだ!」
「へ~、いつも着けてるんだ(ニヤニヤ)」
「そ・・・その・・・・うれしいよ」
「え?いつも着けてないよ?」
「「・・・・・え?」」
悲しそうな顔をした少年と呆気に取られた少女を前に失言に気が付いた少女は慌てて説明する
「だって・・・落として無くしちゃったり、紐が切れちゃったりしないように・・・あと・・・これは・・・キールの前でだけ・・・きゃっ!」
「リ・・・リルッ!!」
「やぁん♪」
バキッ!!(アリサ本日二本目の乳歯脱落)
「いつもは宝物入れに入れてるんだ」
「宝箱持ってるの!?かっこいいな!!」
「女の子の宝箱にかっこよさを求めるキール君の感覚が分からないわ・・・」
「ちがうよ~、すっ・・・ごくキレイなコップなの!ちょうどこの川で拾ったの!!」
「コップ?あの水とか飲むのに使うやつ?」
「キレイってことは、陶器のコップ?こんか川原に落ちてるの?」
「ちがうよ~銀色の金属でできてるピッカピカのコップなの!」
「「・・・・え?」」
金属のコップ・・・ありえない品物に子供ながらびっくりする
開拓村にとって金属は農作業用品や包丁、ナイフ、建築に使用される希少なもので木や竹で生産できる食器に使用されるものではなかった
贅沢品の陶器の皿やティーカップがあることは知っているが金属で作られた物は知識にも無かったのだ
しかも、そんな常識はずれな物が川で拾ったという・・・驚くのも無理は無かった
「探検隊!番号!!いちっ!!」
「にっ!!」
「さん・・・」
メルナル村子供お宝探検隊結成!(探検ではなく探索が正しいと思うが子供の語彙には探索の文字は無かったようだ)
後日、結成の動機について彼女らは語る
「リルが嘘を付く筈がないから宝は絶対にある!と思った」
「村長が宝探しして来いって言ったたから・・・あとキールと(ボソボソ)」
「なんか・・・心がモヤモヤとして結成した・・・後悔はしていない」
冒険や宝にあこがれる少年の心
少年と一緒にいたい恋心
(こいつら二人だけにしたら何かが起きそう・・・)という心配(怒り)
3つの心がミックスされた結果との事だ
そして・・・彼女らは発見する
リルが以前、宝物を見つけたあたりの川原へ打ち上げられた
全裸の20代の男性を・・・しかも仰向けで・・・岩に片足が引っかかって開脚状態だったという・・・
あまりの衝撃に失神したリルとアリサは後日語る・・・
「毛がモジャモジャしてて・・・キールのよりも・・・すごく・・・おおきいです」
「お父さんより・・・大きかった・・・」
なぜか敗北感に打ちのめされたキールは3日間理由も分からずに落ち込んだままだったという・・・
お読み頂き、ありがとうございます!