素直になれない黒ヤギさんと明日も愚直な白ヤギさん
黒ヤギさんが病気で入院しました。
白ヤギくんは病床の黒ヤギさんに会いに行きました。
だけど、黒ヤギさんには会わせて貰えませんでした。
なんでも難しい病気とのことでした。
なので、白ヤギくんは病床の黒ヤギさんに手紙を出しました。
黒ヤギさんは白ヤギくんの手紙を読みました。
だけど返事は出しません。
次の日も白ヤギくんは黒ヤギさんに手紙を出しました。
次の日も次の日も。
例え返事がなくても、彼は手紙を出し続けました。
白ヤギくんが書く手紙はたわいない話題がほとんどでした。
それでもその手紙は彼が一生懸命考えて書いたものでした。
ある日、彼の前に黒ヤギさんのご両親が現れました。
ご両親は白ヤギくんに紙の束を渡しました。
それは黒ヤギさんが書いた手紙の束でした。
その手紙達には何度も消して書き直した後があって。
確かに黒ヤギさんが一生懸命考えて書いてくれた跡があって。
白ヤギくんは涙を流しました。
その涙のせいで、白ヤギくんは手紙がしばらく読めなくなりました。
だから彼はお手紙を書きました。
白ヤギくんは黒ヤギさんのお墓の前に手紙をおきました。
彼の思いが届くように。
雲の間から日の光が彼に降り注ぎました。
それは、彼を温かく包み込んでいるようでした。
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