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〜転生した元勇者は世界一のVtuberを目指す〜  作者: ina
第1章 Vtuber準備編
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第13話 それから

初めての運動会が終わり、冬が来た。


そして――

冬が終わり春が来る。

春が終わり夏が来る。

夏が終わり秋が来る。

秋が終わり、また冬が来る。


季節は、何事もなかったかのように巡っていった。


そして今――


オッス!オラ小学六年生!

もうすぐ修学旅行、ワクワクすっぞ!


……うん、自分で言ってちょっと寒い。


ともかく。


仮に設定している「Vtuberデビュー年齢」十四歳まで、あと二年。


折り返し地点はとうに過ぎている。


ここで一度、この六年間の成果をまとめてみようと思う。



① 言語


元々、日本語・英語・中国語は習得済みだった。


そこに追加で

ヒンディー語、スペイン語、フランス語。


計六ヶ国語。


「使う予定あるの?」と聞かれたら困るが、

武器は多い方がいい。


将来、海外勢も狙うつもりだ。






② Vtuber技術



・モデリング(プロレベル)


SNSで依頼を受けられるくらいにはなった。

実際に何件か受けている。


目的は金銭もあるが、本命は“コネ作り”。

有名Vtuberを排出できるとは思っていない。


だが、数打ちゃ当たる理論だ。


期待はしていない。

でも種は蒔く。





・デザイン(アマチュアレベル)


描く度にSNSに投稿する。

自称プロのマウントはも来ることがあるが基本無視。


だが本当に有益なアドバイスも来ることもあるためバカには出来ない。


今は平均500〜1000いいね。

……最初の猿に比べれば、だいぶ成長したはずだ。(2話参照)







③ 魔法演出


鍵垢で実験配信を何度か行った。


テーマは「魔法を配信にどう組み込むか」。


実験成果は以下。


・パソコンに性能強化魔法を掛ける

→ 現代技術では不可能な超高性能パソコンの完成。


・さらに+α 次元移動魔法を使う

→ 自分が2次元空間に入る


次元移動魔法とは文字通り3次元から2次元に移動する魔法のことだ。

今世で創作した自作魔法だ。


こうすることにより。

超リアル3D配信の出来上がり。


実際に“入る”のだ。配信の中に。


差別化は完璧にできている。


ちなみに。


性能強化をせずに次元移動を使ったら、パソコンから煙が出た。


あのときは本気で焦った。


運動会で桜に秘密がバレかけたとき以来だ。


いやマジで。





次に


・「共有」の魔法


コメントと配信世界を接続。


例をあげると 「竜巻」とコメントすれば


→ 実際に配信に竜巻が発生する。


もちろんオンオフは可能。


視聴者参加型……というより

視聴者介入型か?


まぁ、細かいことはいい。



④ プログラミング


ゲームを作った。


以上。



……いや本当にそれ以上言うことがない。


三年前の小三のときに自作ゲームを勢いで無料公開してしまった。


その当時はプログラム、絵、音声(AI)を全部

「ひとりで作った俺すげえ」と考えてた。



だがこれを数年後Vtuberを始めた俺が作ったとバレたら?と考えてしまった。


あれ?これ黒歴史では?


もちろんすぐに急いで止めようとした。


どうせ誰もやってないだろ、と。


結果――

五千人遊んでた。


時すでに遅し。

今更配信を止めることはできない。


俺はそれ以降、そのゲームに関しての情報は全て遮断している。


今どうなっているか?

知らない。

知りたくない。


まぁ、今後自分から言わなければバレないはずだ。


たぶん。




はい、成果発表おしまい。


成果と黒歴史が混ざった六年間でした。



「――あおいちゃーん!!!」


現実に引き戻された。


「わっ、ど、どうしたの?」


目の前には、少しお姉さんっぽくなった桜が頬をぷくっと膨らませていた。


「だって!全然反応しないんだもん!」


「ご、ごめん……ちょっと考えごとしてた」


「また未来のこと?」


「なんでわかるの?」


「顔が“世界征服前夜”みたいだった」


「どんな顔?」


「こう……遠い目」


「やめて恥ずかしい」


桜がくすっと笑う。


六年の歳月。


桜は可愛いから、綺麗寄りになった。


俺は美幼女から美少女へ進化。


コミュ力は

“コミュ障” → “コミュ障”。


あれ?変わってないか?


まぁ、いい。



「ねえ、修学旅行の班決めの話してたのに聞いてた?」


「聞いてない」


「正直!」


「桜と同じ班でしょ?」


「そうだけど!」


「なら大丈夫」


「何が大丈夫なの?」


「精神安定剤がいる」


「わたし薬!?」


「特効薬」


「むー!」



少し間。


桜がふと真面目な顔になる。


「あおいちゃん」


「なに?」


「修学旅行、楽しみ?」


一瞬だけ、答えを考える。




「……うん」


自然に出た。


「ちょっと楽しみ」


桜が、嬉しそうに笑う。


「そっか!」


その笑顔を見ると、思う。


六年前、あの運動会の日の選択は間違いじゃなかった。


そんなことを常々考えてしまう。



少しふけっていると桜が話しかけてくる。


「ねえ、あおいちゃん」


「うん?」


「夜、絶対しゃべろうね」


「消灯後?」


「もちろん!」


「先生来るよ」


「その時は寝たふり!」


「プロ犯行」


「言い方!」


二人で笑う。




修学旅行まで、あと少し。


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