入所1日目 営みの時間
「……何でベッドを使わんと? って、揃いも揃て瓜二つ──いや、瓜三つな顔せんでくれ。誰のせいやと思てん? ベッド寝転ぶと、看守らに襲われてまうさかい、地べたで眠っとる」
そんな軽口を叩く。
「ほんで、あんたらはボクと戯れに来たん? 本音言うと寝たいねん」
三人の女看守は何も語らない。
ただ、彼からのアクションを待っていた。
「──はいはい。メニュー表を見せて下さい、看守様……やろ?」
気怠げに男が言うと、女看守ピンクは辞表を手渡す。
「そうそう辞表なー……って、お前看守辞めるん?」
女看守ピンクはコクコク頷く。
「そうか、お疲れさん……中見ても?」
彼女は再び首を小刻みに振った。
「…………はっ?」
紙に記載された内容に脳がフリーズした。
以下、辞表内容↓
_人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人_
プギャープギャープギャープギャープギャー
> ━━━━━━m9(^Д^)━━━━━━!!!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
「………………」
【審議中】 ( ´・ω) (´・ω・) (・ω・`) (ω・` )
「オタク──舐めとんのかっ?」
( ^∀^)ゲラゲランド
(・∀・)カエレ!!
痺れを切らした彼に女看守パープルはようやく、本命である本日のメニュー表を差し出した。
「…………オタクらさぁ〜」
メニュー表を一目見た途端、ここでも頭を抱え呆れて物も言えない様子の男。
「他と比べて、ボクだけハードやない? 初めて牢屋入った頃は、言葉攻め、視線攻め、耳フーやらと軽めやったで。接触せいへんものぎょうさんあったやん? 職権濫用もここまで来ると物言う気力もなくなるて。このオススメもそうやけど、イージープレイで添い寝はアカンや──なに笑ろてんねん」
メニュー表を見せつけるも、女看守三人はニコリと花を咲かせていた。
「顔立ち一緒、同じほくろ位置。唯一違うの髪色て。選ぶ必要性感じられへんな」
からかい混じりに彼の口からため息が漏れる。
「──うっ……。ち、ちとボクも、言い過ぎやったわ──」
冷気漂う視線の泣きぼくろ三人に男は平謝り。
\(^o^)/オワタ
そして看守の一人から音声拡張魔道具を渡される。
「恒例の不満ぶつけるで──オタクら利ありで〜♪ ボクは利なし〜♪ お仕置きレベルが〜格段違う♪ そそり勃てども〜♪ 刹那吸われ、おーわりさね♪ 破ッ!!」
「「「くすっ。くすくす……っ!!!」」」
笑いのツボにハマり、手で口元を抑える三つ子看守。
「笑う要素一つもないやろに──まあええ、どうせしゃべれへんのやろ? せやな──」
気を取り直し、男は口を開き頼むものを伝える。
「拘束時間は妥協して、一番下の──おい、やめいや」
「「「ん?」」」
「全員して、『ん?』じゃないねんっ」
見出しにデカデカと「特製三姉妹丼大特価っ!! 本日限りっ!!」と書かれた項目に女看守三人の指が集まる。
「あのな〜、三人も相手したらボク恐らく死ぬねんな〜。そこ分かっとる?」
互いの顔を見合わせ、とぼけ顔の三人。
「……仕方あらへんな。ほんなら、属性じゃんけんの勝者に今夜のお相手頼もうか」
「「「────っ!!!」」」
「いやいや、顔怖いて。そこまで本気にならんでも。……やっぱ女は、好かれへん」
この世界での魔法は三属性使えるのが当たり前。
また属性じゃんけんは以下のように強い。
水
↗ ↘
木 ← 火
「んで────勝ったのオタクかい」
彼の前に残ったのは────泣きぼくろ看守“パープル”だった。
「機嫌よろしいこっ──早い早い、気が早い。まだ横にすらなってへんよ」
女看守パープルは言葉を無視して、ベッドに座る男の胸に容赦なくダイブすると、ほっぺ攻撃を繰り出す。
「気持ちええからて、すりすりせんでくれ。くすぐったいねん」
「…………っ!!」
「むふー顔しても、何も起きまへんからな」
三分後────
「……ナニコレ」
「……っ」
(抱き寄せて寝ただけで、えらい大人しゅうなったわ〜)
彼は無事に眠りにつくも、女看守パープルは茹でダコ状態で、眠れるはずがありませんでした。
翌日、彼は女看守パープルより「花丸」を頂いた。




