聖者と妖怪と青年
霊夢の活躍により先代博麗の巫女は共に生きていく道を選んだ。
博麗の巫女2人の心情的解決と幻想郷の楽園化の成功の元で平和がたもたれていた。
先代の巫女は自身の夢である教師の夢を叶えることが出来、霊夢も巫女の仕事をしながら自身のやりたいことを探していた。
魔理沙も今は霊夢と仲良く魔法の研究をしながら過ごしていた。
しかし、人間の里と妖怪の間ではまだ共に手を取っていける環境ではなくお互いを誹謗しあう環境の中にいた。
その中でも寄り添っていこうとする人々も中にいた。
しかし手を取り合う人や妖怪よりも、非難する人々があまりにも多いのが現状であった。
このままだと幻想郷は文明の波に飲まれていき、あれも欲しいこれも欲しいという。
情的感情に飲まれていく事になっていきやがて物質主義者が多くなっていき。
異変を自ら引き寄せてしまうようになっていき悪魔に支配されて幻想郷そのものが崩壊の危機に直面することになりつつ有ることが現状になってきている。
そのような状況下の中で幻想郷に入って来てしまった一人の青年がいた。
なんでもその青年には使命があってこの地に来たという。
その使命とはとある心理を広める為に外の世界で活動していたところ、この世界に迷い込んできたという。
異世界転生かい!
とツッコミはさて置き、
本人は命蓮寺という寺の祭壇から出てきたのだ。
これは博麗ふたりに続く物語になります。
命蓮寺
境内にて
、、
、、、、
出会いは突然やってくるという。
また思いがけないチャンスも交通事故のようにやってくる。
では今のこの状況は何と表現したらよいのだろう。
「、、、ん?」
辺りを見回すと見慣れないようで見慣れている景色があった。
大きいフルオーダーメイドされた瓦屋根参拝に訪れる時に入れる賽銭箱に中央のご本尊、
(まさかあそこから出で来たんじゃないだろうね)と本人は思うだがここには自分、私。
つまり俺しかいないわけだが、
「あら?」
しばらく参拝場で惚けているとお寺の入り口から紫色の長い髪の女性が出てきたのである。
青年の方を見てその女性は歩み寄ってきて「おはようございます。どうされましたか?」
と自分の顔を覗き込んできたのです。
ラベンダーのいい香りで目が合ってあまりの綺麗さにおもわずどきっとしてしまい変な考えがよぎりそうになる衝動をぐっと堪えながら(俺は何を考えているんだ!)という一瞬の情的感情を堪えつつ「おはようございます。今朝ここを通りかかった者でしてお寺が綺麗だったのでつい見に来てしまいました」
といって多少真実を混ぜた嘘でテキトーに誤魔化しながら言うと。
「あらそうだったのですね、私が朝寺に入ったら見慣れない服を着ている人がいるものですからどちら様なのかなと思いまして。それと、また見慣れない入れ物を持っていますね」
その女性から言われるまで俺は気付いていなかった。
自分の足元にキャスター付きの鞄があることを。
、、
、、、
そのかばんに視線を移しながら青年は、
「これはスーツケースというものでしてこの中に色々と物を収納しているんです。自分が着ている服がスーツというものになります。もしかして知らないのですか?」
と聞いてみたがその女性は「私どもはそういうものは見たことがないので」
そう言われて青年も「そうなんですか!普通知ってますよ。だって普段近くの駅前とかで売ってますし」すると目の前の女性は「駅?ですか、、」と疑問形で首をかしげてきてその反応を見てた青年もそこまで言うと青年はふと「あれ?」と首を傾げて。
(そういえば駅とか車とか何もない、ここは何処なんだ、、)何と答えたらいいかわからず当惑しながらラベンダー色の髪の女性は「あの」とお伺いを立てるように問いかけてその問いかけに対して青年は「ん」
何かを思い出そうと困惑な顔をしながら目の前の女性は「大丈夫でしょうか?」
と若干心配そうな顔でこちらの顔を覗き込むように聞いてきてその問いかけに青年は「あ、ああ、大丈夫、多分、大丈夫」とはぐらかす感じで言うと「お姉さん、あなたのお名前は何というんでしょうか?」
と聞くと「私はこのお寺の住職をしている聖白蓮と言います。」
と紫色の髪の長い白黒の大きい服を着た女性は丁寧に挨拶をしてきて「あなたのお名前は」と応えてきたので青年は、「私は宍戸雄一郎と言います」そう答えて宍戸雄一郎と名乗った青年はふと(あれ、なんで名前はすんなり出てくるんだ)と思った。
そう答えて「では宍戸さん、この辺りでゆっくりしていって下さい」
と言い「わかりました、暫くこちらにいます」
とその女性と会話を交わした後、寺の周辺を散策することにした。
境内を歩いて回るとお寺の角からネズミの耳飾りをした小さい女の子が現れてきた。
その子は雄一郎の姿を見ると一瞬お寺の角に顔を引っ込めてからまたこちらの様子をうかがうような形で見ていてやがてこちらに小走りに近づいてくると「誰だ、名を名乗れ」
人見知りと思いきややたらと上から物を言ってきたのでこれには雄一郎も苦笑してしまい。
散策中に出てきたこの寺の関係者らしき人物?
に対してこの場を取り繕うような形で
「はい、私はここのお寺に礼拝に来られた宍戸雄一郎と申します、どうぞよろしくお願い致します。」
本当は当然この世界なのか惑星なのかわからない場所に迷い込んだとは告げないで挨拶したら、そのミ〇キーマ〇スのような被り物をしている少女は、「何だただの客か、私はここの寺に住んで修業をしている者だ。名はナズーリンと申す。主人と一緒に住んではいるが今主人は外出中だ。」
と、小さい少女は雄一郎に丁寧に話すと雄一郎は少々驚き、
この世界の子供はこれほど丁寧語を話すのかと感心していた(上から目線だけど)
主人と2人ということはもう一人この子の保護者のような存在がいるという訳か、
そう思い雄一郎はナズーリンと名乗った少女に「ナズーリンさんというんですね、初めまして、主人というと保護者でしょうか?」
そう聞いてみると「まあ保護者と言えば保護者ではあるが主人が何かしないように見張っている監視役ともいう」なんとまあ中々に複雑な事情を抱えていらっしゃるお嬢さんだと思った雄一郎ではあるが、兎に角この少女に色々と聞いてみようと思った。
「ナズーリンさんはこの辺で情報が集まってそうな場所を知ってますか?」
聞いて少女は少考して、「そうだな、この寺からすぐそこの人間の住む人里にでも行ったら。」
そう聞いて雄一郎はその場所はどういったらいいのかを聞いてみると、
「ほら、すぐそこ目の前にあるじゃん」
そう言って少女は指を寺から先に指をさして言った。
寺から眼下の景色が広がっている眺めに初めて気付いた雄一郎は、
「うわ、え、こんなに近くに人が暮らしてる里があったんだ」
と、感想を漏らしていると
(大丈夫かコイツ)と心の中で呟いたナズーリンの様子を気にしていない雄一郎は
「ありがとうございます。ナズーリンさん!感謝します。」
頭を下げて傍らのキャリーケースを持っていきながら
「それではまた。」
そう言うとそそくさと階段を降りて行った。
ナズーリンはその背中を見届けながら「あいつ人間の里が分からない状態でどうやって寺にきたんだ?」
一人でつぶやいていると「なんか不思議な方ですね。」
その横からさっき話していた女性聖白蓮が言ってきた。
「不思議な奴なんかこの幻想郷にはいくらでもいるけどね」
そう言って2人は青年の行った後を見送ったのだった。
どうも初めまして高橋雄祐です。
この度は東方二次創作の方で書いてみました。
以前から東方物で超大作になるような物を書きたい願望があったのでこれを機に書いてみようと決心しました。
他の東方二次創作とは異色な作品になると思いまして、主人公が妖怪ではなく人間から始まりますので
今後の作家活動の原点になれれば幸いです。




