13話:学園祭3 準備開始!
話し合いが終わって2日目、学園祭に向けての準備が本格的に始まった。そして今日は学園祭での目玉である劇の脚本決めの日だ。
「セレーナ、自信もって!」
「そうよ。あんなに一生懸命だったセレーナなら、絶対に脚本ゲットできるわ」
「……ありがとう2人とも。そうよね、やっぱり何でも自信をもって挑戦しなきゃ!」
そう言う彼女の指は微かに震えていた。
じゃあ、行って来るね。と言い残して、セレーナは教室へと向かった。
「よし、じゃあ私たちはクラスの準備に戻りましょうか」
「うん。またねアリシア」
エレナに手を振って、私は教室へと戻ると、クラスメイトたちが活発に話し合っている声が聞こえた。机の上には赤、ピンク、緑などの色とりどりな装飾用の布や、スケッチが広がっていた。
「アリシアさんおかえりなさい!今ちょうど、看板のデザインとメニューの案が出揃ったところなんです」
「本当!見せてくれる?」
私はいくつかのスケッチを受け取り中を覗き込む。
「悪くないわね。でも、ちょっとおしゃれすぎるかしら。例えば文字を黒板風にするとか、背景にお菓子を足してみるとか」
「なるほど〜!じゃあ、その案でもう一度描いてみますね」
早速クラスメイトは作業へと取り掛かった。
「アリシアさん、こっちもいいですか?」
「ええ、分かったわ」
次に見せられたのはカフェのメニュー案だった。
書いてあったのは、
『猫の肉球クッキー』 『くまのハチミツレモンティー』
『ひつじのふわふわシフォンケーキ』
『フクロウの夜更かしコーヒー』などなど。
「いいじゃない!ふふ、ひつじのケーキだって、見た目がすぐ頭の中に浮かぶわ。とっても分かりやすい」
「本当ですか!ありがとうございます。あとは、甘いものが多いから、少しボリュームのあるものも入れようと思うんですけど、何が良いと思いますか?」
「──サンドイッチ……かしら」
「いいですね!メニュー名は何にしようかなぁ」
「まだ出ていない動物がいいわね。例えば……犬、とか」
『犬』その単語を発すると、なぜだか彼の姿が思い浮かぶ。でも気のせいよね。サンドイッチと言ったのも、犬と言ったのも、たまたまだ。
けっして意識して言ったわけではない。けっして!!
「犬なら……『わんこのごちそうミートサンド』とかどうですか?レタスとお肉って合いますし、名前からも分かりやすいから」
「名案ね!じゃあ、それでいきましょう」
「はい!分かりました」
その後、メニュー案をまとめながら、次々と意見を出し合っていた。私も時折アイデアを出しながら作業を進める。
看板とカフェのメニューはうまくいきそうね。
「アリシアさん、もし時間があったら衣装の方も見てもらいたいんですけど、どうですか?」
「分かった、今行くわ」
その後も作業を進めながら、私はずっとセレーナのことが気になっていた。
……セレーナ、うまくいっているといいな。




