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悪役令息はママがちゅき  作者: 埴輪庭


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幕間:帝国の毒花

 ◆◆◆


 帝国宰相ジギタリスは控えの執務室で書類の山を眺めながら、苛立たしげな呼吸をついた。


 疲労が色濃い影となって滲み、ヴァルフリードを篭絡したその美貌にもやや翳りが見られる。


「まったく、思うように事が運ばないわね」


 吐き出した言葉には、自分への戒めとも他者への軽蔑ともつかない冷気が混じっている。


 手元には帝国政務に関する文書のほか、亜人貴族の処遇を示す“人種序列法”の改定案がいくつも並べられていた。


 ヴァルフリード皇帝が政務を放り出して久しい今、ジギタリスこそが帝国の舵取りを実質的に担っている。


 にもかかわらず、周囲の貴族たちは不満を飲み込みながら従うフリをしているだけに過ぎない。


「飲み込むだけではなく、徹底的に従ってくれればいいのに」


 彼女はそう呟き、小馬鹿にした調子で小さく鼻を鳴らした。


 亜人血統の貴族たちをできるだけ中央から追放する──これがジギタリスの政治方針であり、同時に彼女個人の強烈な願望でもあった。


「そもそも魔王が要求をしたからというのもあるけれど、私自身、あの連中が我が物顔で振る舞うのが気に入らないわ」


 その声には激しい敵意と、隠しきれない屈辱感がにじんでいた。


 特にエルフェン種だ、と彼女は顔をしかめた。


 長命で優美、そして強大な魔力を持つエルフェン種を、ジギタリスは心の底から嫌っている。


 ただ、その嫌悪感は憧憬の裏返しでもあるのだが。


 ともあれ、魔王ベルゼイから「亜人を排除すれば帝国掌握に協力をする」と言われたとき、ジギタリスは躊躇なく賛同した──ちなみに魔王ベルゼイがなぜ亜人を排除したがったかといえば、それは単純に人間種より強く、知恵もあったからである。


 そうして当初の計画では、ジギタリスがお膳立てした魔王ベルゼイの受肉の儀を滞りなく終えた後は、ヴァルフリード(ベルゼイ)はジギタリスに帝位を委譲し、帝国と魔王軍の協力体制の元に世界を牛耳る予定であったのだが。


「一方的に彼らを排してしまえば、この帝国の中枢は自然と人間系貴族が独占できる。……ああ、そうなるはずだったのに」


 魔王ベルゼイとの繋ぎが途絶えた──恐らくは滅ぼされたか、見切られたか……


 いずれにせよ、ジギタリスの当初の画策は頓挫してしまった。


 だが、彼女はそこで諦めることはなかった。


「魔王がいなくても、帝国を牛耳る手立てはいくらでもあるわ」


 机の引き出しを開け、地図を取り出す。


 そこには帝都ガイネスフリードを中心に、領土の境界線が色分けされて描かれていた。


「皇帝にはもう少し“お休み”してもらうとして。問題は、私のやり方に抗う輩が現れないかどうか。アステール公爵家をはじめとした数家はいずれ取り潰さなければならないけれど──でも今は無理ね」


 ジギタリスは、アステール公爵家をよく思っていない。


 理由はいくつかあるが、ひとつにはエルフェンの血が薄くとも残っているという事実がある。


 それだけでも、ジギタリスにとっては排除の対象になりうる。


「あら、いけない。会合に遅れてしまうわね」


 ジギタリスは魔導により造られた時計を見て、急いで資料を取りまとめて執務室を出て行く。


 この日の夜は秘密の会合があった。


 ◆


 ジギタリスは宰相として与えられた私邸に、限られた客人だけを呼び寄せていた。


 ここにいる者はみな、いわゆる「人治主義」を掲げ、亜人種排斥を是とする高位貴族ばかりだ。


「殿下がまた怠けておられるようだな」


 初老の男が、わざと鼻で笑うように言う。


 ヴァルフリード皇帝を侮蔑するかのような態度に、まったく慣れた様子でジギタリスは肩をすくめた。


「今さら驚くことでもありませんわ。あの方は私が差し出す書類に全て目を通したフリをして、結局は何も決められないのですもの」


 柔らかな言葉遣いとは裏腹に、その目には冷ややかな光が宿っている。


 室内に灯る淡い燭火が、美しい横顔をどこか陰湿に照らし出した。


「だからこそ、皆さまにご足労いただいたわけです。帝国に巣食う忌々しい問題を、慎重かつ迅速に進める必要がありますから」


 そう言って、彼女は手元の書類を翻す。


 集まった高位貴族たちも目配せしながら席に着き、宰相の言葉を待った。


「さて、そろそろ始めましょうか」


 ジギタリスは会合の開始を告げ、淡々と紙束を広げていく。


「まずは、今回の『人種序列法』改定草案に関する件。ここにいらっしゃる皆さまは、すでに目を通しているかと思います。……実際、問題はそこではなく“どの時点で”これを公式に発布するか、ですよね?」


「そうです、宰相様。あまりにも早急に発布すれば、帝国領内で予想以上の反発が起きる可能性が高いと考えています。先日も領主たちとの小規模な交渉の場がありましたが、流通という面でも亜人の存在は不可欠で、これを無理やりにでも排除してしまうと領内に相当な損害が出るとの報告を受けました」


 貴族の一人が報告する。


「いずれは皆排除するつもりですけど、実情はあなたが言ったとおりね。あまりに急ぎすぎると、彼らがひと塊になって帝国中心部に抵抗をしかけるかもしれない。……いえ、恐らくそうなる」


 ジギタリスは書類を閉じ、机に両手を置いて顔を上げた。


 燃えるような瞳で周囲を見回すと、その射すくめるような視線に貴族たちは身を引き締める。


「実際には貴族の中にも亜人の血を引く者が少なくない。彼らは私どもにとって最大の障害になり得ます。──だからこそ、段階的に“合法的”な手続きを進めていかなければならないのです。内乱ということがあってはなりません」


 椅子に浅く腰掛けていた公爵が口を開く。


「おっしゃるとおりだ。もし我々が性急に法案を押し通してしまったら、帝国全土が割れてしまう。亜人を擁護する勢力が団結して反乱を起こすかもしれん。西方の大国、ユグドラ公国などに常日頃からガイネス帝国の隙を窺っている──ここでやつらにつけ入る隙を与えてはならん」


 それを受け、ジギタリスも頷く。


「帝国は更に強く、大きくなります。いずれは世界を呑み込むでしょう。しかしそのためには土台がしっかりしていなければなりません。土台固めの段階で他国からの干渉を受けてしまっては我々の悲願達成にも遅れが出てしまいます。そこをふまえ、今後の計画を練っていくのでご安心ください」


 しばし静寂が落ちる。


 雨音が一層大きく聞こえてくるが、部屋の中の人間たちは皆ジギタリスの言葉に聞き耳を立てていた。


「我々が今すべきは、公式に亜人擁護を唱えている貴族──特にアステール公爵家のような存在を、政治の表舞台から排除することですな」


 口ひげを生やした男が言った。


 これもまた高位貴族である。 


「その通り。特に力のある貴族──十二公家に関しては半数が我々に賛同してくれています。しかし残り半数は様子見か、あるいはアステール公爵家の様に悪びれもせず亜人を迎え入れているという始末……」


 ジギタリスがそう言い切ると、会合の場に低い吐息が漏れた。


「栄えある帝国貴族が薄汚い亜人に迎合するというのは問題ですな」 


「ええ、仰る通りですわね。そういった家々を力で叩き潰す事もできましょうが、それではこちらも怪我をしてしまうかもしれない。それでは面白くありませんから」


「そうですね。あとは亜人擁護派にはそれなりの大義があるということもわきまえなくてはならない。表面的には“人種協調”を掲げているだけに、民衆からも一定の理解が得られやすいですから」


 ジギタリスは首肯し、細い指先で資料の上をなぞる。


「まずは政治の場で彼らを孤立させていきましょう。学園や地方領主、さらには各種ギルドとの利害関係を操作し、少しずつ発言力を削いでいく。そして、それが終わったら今度こそ──亜人の血が混ざる貴族を一掃する」


 力強く言い放たれる言葉に、集まった貴族たちは頷いた。


「帝国のために。いえ、我々が理想とする帝国のために、ですね」


 伯爵家の若き当主の言葉に、その場の者たちは満足げに頷いた。


 そうして会合は順調に進み、いくつかの法案に対しての意見の一致を確認しあって解散し。


 ・

 ・

 ・


 他の貴族たちが全て帰った中、一人の貴族だけがその場に残った。


 ギブル・セラ・ヴァルタン侯爵だ。


 良く言えば体格がよく、悪く言えば豚のように肥え太ったその姿は、見る者にある種の圧迫感を与える。


 若いころは武人として名を馳せ、いざ戦となれば果敢な武勲で領地を守り抜いたと伝わっているが──今となってはその面影を追うことさえ難しいほど肉付きが増し、貴族然とした贅沢な装いで身を包んでいる。


 両目にはぎらつくような欲望の輝き──視線は、ジギタリスの胸元へと向けられていた。


「皆さまお帰りになられたようですな。ところで麗しき宰相殿、彼らの考えはしっかりと監督し、決して宰相殿の期待を裏切らない様にしますゆえ──」


 ギブルの声には抑えきれない昂ぶりが滲んでいる。


「ふふ、ちゃんと従うからご褒美が欲しい──そんな所でしょうか?」


「宰相殿のご推察、誠にお見事」


 ギブルはぺろりと唇を舐めた。


 ジギタリスは背筋を伸ばして立ち上がり、散らばっていた書類を軽く手元で揃える。


 そして柔らかな仕草で肩の飾りを撫でると、ゆるりとギブルを振り返った。


「……ギブル侯爵がしっかり皆さまの動向に目を光らせてくださるので、私としても随分とやりやすいです。お礼をしなければなりませんわね?」


 まるで戯れ言を言うように囁くジギタリスの声は、耳に絡みつくような響きを孕んでいる。


「私は宰相殿のご高志に微塵の疑いも抱いておりません。……それに、宰相殿のお力があれば、いずれ真に人間種が主導する帝国が築き上げられましょう──ま、まあそれはそれとして……」


 ギブルは興奮を抑えきれぬように声を弾ませ、荒い呼吸を織り交ぜながら大きく頷く。


 ジギタリスはその心底を見透かすように観察しながら、妖艶な微笑を浮かべる。


「ええ、そうなるでしょうね。私が宰相である限り、私に従わない者は容赦なく切り捨てられることになる。もちろんあなたのように私に忠誠を誓ってくださるなら、未来は明るいでしょう」


 意味ありげに視線を落とす彼女を前に、ギブルは形ばかりの礼を示した。


 その首元に汗が滲んでいるのは、外の雨で部屋が蒸し暑いせいか、それとも胸に秘めた欲望の炎によるものなのか。


 ジギタリスはそっと近づくと、ギブルの耳元に柔らかな吐息をかけるように言葉を紡いだ。


「……ところで、ちょっと話が長くなってしまったせいか、私、少し疲れてしまいましたわ。ギブル侯爵、寝室まで送ってくださらない?」


 ギブルは腹の肉を揺らしながら立ち上がった。


 ついでに下半身のとある部分も。


「かしこまりました。宰相殿の身の回りの世話をするのも、我々忠臣の役目ですからな。……では、遠慮なくお供させていただきましょう」


 そう言いながら、ギブルは身体の向きを変えて扉の方へと歩み寄る。


 ジギタリスは微笑を消さずに、書類の山の中から最も重要なものだけを素早く抽出し、部屋の隅に置かれた鍵付きの小箱に収める。


 その動作を注意深く見守るギブルが「よほど大事な書類なのですな」と鼻を鳴らしたが、彼女は「これも後ほどお見せしてあげますわ」と意味深に笑うだけだった。


 室内の灯りを落とし、廊下へと抜ける二人の姿は、一見すると優雅な夜会帰りのようでもある。


 ジギタリスはことさらにギブルの腕に胸を押し付け、ギブルの昂りの炎に薪をくべた。


 ジギタリスはわざと足を止め、薄暗い廊下のなかでギブルに振り向く。


 その瞳は暗がりの中でも妖しくきらめき、口許に妖艶な笑みを宿していた。


「寝室まであと少しですな」


 細く長い回廊を抜ける先には、ジギタリスの私室がある。


 優美で冷徹な女宰相と、ひたすら欲深い貴族。


 どちらが主体でどちらが操られる立場かは明白なはずだが、ギブルはあえてその事実を直視しようとはしない。


 いまはただ、甘い蜜を啜っていたかった。


 二人が扉の前で立ち止まると、扉脇に控えていた侍女が一礼する。


 ジギタリスはわずかに顎をしゃくって侍女を下がらせると、軽やかに扉を開けた。


 寝室の奥には心地よい暖炉の熱と、かすかに揺れる燭台の灯りが静かに広がっていた。


「ありがとうございます、でも──話し足りないことも、まだたくさんございますの」


 ジギタリスの甘く響く声が、ギブルの耳朶をくすぐる。


 彼はその誘いに応えるように大きくうなずくと、まるで初陣を迎える若武者のような高揚感を抱いて、彼女の寝室へ足を踏み入れた。



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