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無名壱鞘刀硬一閃 むめいいちさやがたなこういっせん

「やっとこの日が来たか」


「父さん、母さん俺十歳になったよニシシ」

 ナヅキは大きくなり声も少し変わっていた。


 俺は今日十歳になった。つまり竜の卵が貰える日。


「どんな竜と出会えるのか楽しみだなぁー」



「コホン。それではこれより十歳を迎えた者に竜の卵を授ける。皆、選ぶがいい」

 里の広場に十歳を迎えた者が数十名集まり竜の長と竜の里と関わりのある四つの里の長達も集まり竜の卵を選ぶ事となった。


 竜の卵は藁で出来た籠に五個ほど入っていて長の竜が籠を抱えたり、里の偉い人やあのリタさんも籠を持っていた。俺は勿論リタさんの所に向かう。


「リタさんこんにちは。卵見てもいいですか?」


「ナヅキ君こんにちはーどうぞ」


 俺は籠の中を覗き込む。そこには、形や色大きさなど様々な卵あった。


「こういうのは直感かな」


 俺は、小さくて黒い色をした卵を手に取る。


「暖かい」

 俺は、今まで動物を狩ってきたし色んな動物の卵を触ったりした事があるが竜の卵は初めてだ。


「ここにある卵達はもうすぐ孵るから大切にして孵してあげてね」


「分かりました! 大事にします」


「うん、お願いね」



「皆の所に行き渡ったようじゃなそれでは解散とする皆、大事に育て良き友になるのじゃぞ」


 長の挨拶が終わりを迎えようとしてた時だった。突然、四つの里の長達が立ち上がり合図を出す。


「竜の里並びにこの里の全てを破壊しろ」


「これこれ、フレイグ何を言って」

 長が火の里の長に話している途中、火の里の長フレイグが長に近付き太刀を抜き突き刺した。


「げふっ……皆、逃げるのじゃ……」


「誰、一人一匹たりとも逃がすな全員殺せ!」


「よくも私の長を許さない!」

 長のパートナーの竜がフレイグに突進する! だが……。


「弱い」一言言い真っ二つにした。


 里の者はパニックになり逃げる人、戦う人で混乱状態になっていた。


 俺も戦っていたが人が死に竜が死にどうしていいか分からなくなっていた。


「ナヅキ君こっちよ! ここから早く逃げて」


 リタさんの声が聞こえ振り返ると他の竜の卵を抱えた子供達を逃がすように必死に呼び掛けていた。


「リタさん! 俺も手伝います!」


「いいから早く逃げてそれが長の最後の言葉よ!」


「だったら一緒に! 俺、ずっと前からリタさんの事が……」


「随分と余裕じゃねぇか殺すぞ餓鬼が」


「アンタか……」

 流石、火の里の長だ……他里の情報は詳しくはないがこうして正面で向き合っているだけで分かる。この場にいる長の中で一番強いと向き合っていると心臓が跳ね上がり今にも逃げ出したい衝動に駆られるが引く訳にはいかない。俺は、竜の卵を道具袋にしまう。


「大した餓鬼だな俺を前にして逃げないとは」

 そう言い向かってくる。


「は、速過ぎる……!」


 目だけで追っていたら確実に死ぬ……相手の目、手の動き全てを見逃すな感じ取り食らい付け!


「鬱陶しい餓鬼だな……」

「火の太刀壱火炎」


「太刀から炎が!」

 フレイグの太刀から炎が出て熱さを感じる。今までとは明らかに違う。

 受け切れるか? いや、考えるな引く訳にはいかない!


 その、一瞬のせいだったのか俺達の間に人が……。


「ナヅキ君……逃げて……」


「リタさん!」

 リタさんの身体は、肩から腹まで切られ今も燃えている。


「お、俺のせいで……」


「違うわ……貴方のせいじゃない……」


「ご、ごめん守れなくて……」


「ううん……大丈夫……だから逃げて……ね?」


 好きな人も守れないでましてや守ってもらってただ逃げるのか?


「ナヅキ君……生きて……」

 そっとリタさんの唇が触れる。リタさんの涙が抱き抱えてる腕に触れる。

 リタさんはその後、目を閉じた。


「フレイグ! 俺はお前を絶対に許さない次会う時には必ず潰す」


「女に盾になってもらって吠えるな」


「火の太刀弐火突」


 俺の肩を後ろから火の刃が貫くでも、倒れる訳には行かない俺は、生きてと言われたんだ! 絶対に生きる……!


「逃がすな追え」



「はぁはぁ……ここまで来たら大丈夫か?」

 追手は家の近くの森で捲いたはずあの森に一番詳しいのは俺だ。


「初めて竜の里の外に出たな……また森に入るみたいだけど」




 あれから、森に入りひたすら走った肩は穴が開き左腕は上がらない目眩がし石に躓き倒れる。


 倒れた拍子に竜の卵が袋から転がった。


「這いつくばってでも進め……」


 竜の卵まで這いつくばり卵を抱える。暖かい……お前の事も守ってや……。


 薄れゆく意識の中で抱えた卵が動くのを感じた。


「お前も生きたいんだなぁ……待ってろ絶対に……嘘だろ? こんな時にドラゴンウルフかよ……」


 ドラゴンウルフ……狼の毛に竜の翼を持つ獣だ。俺は、鞘刀を杖代わりに何とか立ち上がる……。


「グルルルル」



「無名壱鞘刀硬一閃」


 居合の様な構えから駆け出しドラゴンウルフの開かれた口に鞘刀を叩き込む。


「クウン……」がくっ


「よし……何とかなったか……」

 俺は、卵を抱きかかえ卵から小さな黒い竜が孵るの見て気を失った。

途中で書くのが止まらなくなる時があって

懐かしい感覚でした。

戦ってる所の表現が難しい

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