7◇異世界転移から3日で入学試験っておかしくない?
──朝になった。
今日は早く起きれたけど試験あるんだよなぁ…ささっと朝ごはん食べて、宿の女将さんに学院の場所を聞いてmpが回復してるのを確認して…クレルモンのmpも満タンになってる。
これで合計mp4014も使える。筆記が出来ない分実技で点稼がなきゃ……
そんなに配点が高くない可能性もあるけど。
学院に行くと、本人確認をされて受験番号841番って書かれたプレートを貰った。
これを首から下げるらしい。まあ教室に着いたら外してもいいって言われたけど。
要は個人認識用のプレート……まあ受験票でしょ?
指定された教室に座って周りを見たけど知人(セリア様)はいなかった。
多分違う教室にいるんだろうね。
前を見ると黒板に試験科目が書かれていた。
えーと、歴史、国語、魔術、数学、武芸の五科目か…歴史、魔術が詰みですね。
武芸は…昨日の逃げ芸を披露すればワンチャン?
国語は幸いにも日本語なのでいける……といいなぁ。
──歴史の試験が始まった。
(1)トラウィス王国の昔の名称を答えよ。
これはわかる。たしかルナエン王国だったよね…
偶々聞いた雑学がこんなとこで役立つとは。
(2)テネル家とハテユ家の~
パスだよこんなの…わかるわけ。
(3)…
終わったわ。(1)しかできなかった。50問あったから2点かな?まあ記述とかあるから正確にはわからないけど…まあゴミみたいな点ってことで。
─そんなこんなで国語と魔術、数学が終わった。
国語は普通で漢字とか長文読解とかだった。普通だね。
魔術は…察して欲しい。
一言言うなら歴史よりはできた。
何か、ほら、私の頭の中に眠るラノベ的常識をフル活用して。
まあ高得点とは口が裂けても言えないけどね。
数学は…余裕ですね。2次関数とか確率とかそんな難しくない問題が多かったけど一問だけ難しい証明があった。解けたけど……解けたけど。
ここ重要だから2回言った。
人生2回目の受験も最後の科目、武芸の時間になった。
魔術の実技からか……
「受験番号841!一番得意な魔術を前に打って下さい」
さて、どうしようか。
次に控えているであろう武術?の実技用にもmpを残さなきゃいけないし…まあ2500位あれば足りるでしょ。
じゃあ残りの1500強をどんな風に使うかだけど…【重複魔術】を使えばいいかな。
じゃあ「ファイヤーボール」の飛距離5m、ダメージはいらないし1で、直径は2÷10mの奴を…30個で!
「燃え盛る根源よ!我が意のままに従いて、敵を穿て!【重複魔術】ファイヤーボール!」
『【火属性魔術】の使用回数が一定回数を越えたのでlvが2に上昇しました』
アナウンス?をガン無視しつつ自分の後方上辺りに浮かんでる30個の火の塊を前方に打ち出す!
試験監督がドン引きしてる様に見えなくもないけどまあいいや、ドン引きしてるってことは点数高くなるでしょ……多分ね。
因みに向こう側の固そうな壁には跡一つ残ってない。
さすが直撃ダメージ1。数だけは多いけど。
これが質より量パワー!
……えーと、次はあっちに行って武術?の実技試験を受ければいいのか。
──武術実技の試験はすごく単純で試験監督と3分間模擬戦をするらしい。 点数とかどうやって判断するんだろ。
何か基準とかあるのかな?
一応どちらかが有効打を与えられれば終わるらしいけど。
そうだ、3分間って最初から判ってるんだし早めに『舞踏城』使っとくか、一応10分で速度30倍…対象は勿論私だけ。
「『舞踏会』(ぼそっ」
よしよし、実質agl3900…大分数がインフレしてきたなぁ……昨日はほぼ全mp使ってagl900だったのに。
今はまだmp2200強も残ってる。つよつよじゃん。
そのうち世界最速とか名乗れるのでは?
「受験番号841番!上がって来い!」
よし、じゃあ気合い入れてやっていきますか。
形式的なやりとりをして…大丈夫だね。
まだ効果時間3分以上残ってる。
……試験監督が真っ直ぐ突っ込んでくる。
あの怪物よりは遅いし楽かも?そう思ったのも束の間、距離が2m位になった瞬間に加速した。
速っ!まあなんとか避けられはするけど。
でもagl換算で絶対3000位あった。
まあ避けられるんですけどね、初見さん。どやぁ…
じゃなくて!前言撤回!油断したら一瞬で負ける!
しょうがない、追加で魔術を使おう。
そう、私の知らない間に勝手に進化したあの魔術、『限定空間制御』をね!
ちなみに、本当に何で進化したのかわからない。
「『限定空間制御』!!」
宣言した瞬間にmpが継続的に減る感覚と同時に周囲の状況が手に取る様にわかる。
今ステータス見たら、1秒ごとにmpが10も減ってる。
情報としては知ってたけどこれの燃費の悪さやばいわ。
相手が今度は最初から高速で上に私に当たるように武器を投げながら、後ろからこっちに来た!
あれ?また速くなってない?なんなら同速位では?
クレルモンで投げられた武器を払いつつ、急いで後ろに跳び避けた。
「燃え盛る根源よ!我が意のままに従いて、敵を穿て!ファイヤーボール!」
直径だけ5m位あり、飛距離も威力もほぼゼロの目眩ましを使う。
自分で放った魔術の影響を受けないのは、さっきの魔術実技で熱を感じなかったことからわかってる。
だからそのファイヤーボールの中を突っ切って相手の方に接近する!それに場所は『限定空間制御』のおかげで判ってる!相手が何か変な行動をする前に喉元にクレルモンを突き付けて……
「これで終わりでいいですよね」
「ああ、降参だ。すごいな、どうやって俺の縮地に対応したんだ?確実に有効圏内に入ったはずなんだが……まあいい。もう帰って良いぞ。あと合格発表は明日の11時からだ。忘れるなよ」
口が裂けても見てから対応したとか言えない。
後『限定空間制御』解除し忘れてた。
圧倒的mpの無駄遣い。
ちなみに今ステータス見たらmp後1389だった。割りと余裕あった…?
まだ夕方前だからなぁ…何しよう。
まあいっか、疲れたし帰って寝よう。
そういえば王立高等学院は私服でいいらしい。
適当に学生らしい服を買うか……まあ、そんな軽い思考で服屋にいったはすだけど、意外と高かった。
後、試験で疲れてるのに店員が滅茶苦茶話し掛けて来た。
やばい今思い出したら言葉遣いが若干乱れてたかも……次からは別の店にしようかな…あ!
そうだレントル商会行ってないなぁ。
今度暇になったら行こうかな?(フラグ)
自分で自分の発言に「(フラグ)」ってつける悲しさよ……
さて、宿に無事に帰ってきた。
そろそろ自分の家が欲しい…っていうか、ここに飛ばされて来てからまだ一週間も経ってないのか……
なんなら来てから僅か数日。
……なら気が早すぎるかな?ってうか早すぎるな。
もうしばらく宿でいいね。
学院に寮があったらなぁ…よくある異世界転移物みたいな展開も有ったかもしれないのに…それじゃあ寝る前ににmpを使い切っておこう。
どうせ寝て起きたら全快してるでしょ。
設定は全部1で「ファイヤーボール」を約1400個発射!(安全には配慮しています。良い子は真似しないでね)ちなみに今回魔術使ってわかったのは魔術は消そうと思えばすぐ消せる。
『【火属性魔術】の使用回数が一定回数を越えたのでlvが8に上昇しました』
『【火属性魔術】が一定レベルを越えたので
「ファイヤージェット」
消費mp:(持続時間s)×(2agl上昇倍率^3)
が使用可能になりました』
わあ単純。
これなら適当に魔術ぶっぱしてれば全部レベル10になるのでは?今度mpが余ってたらそれでレベリングしよ。
何か魔術増えたけどこの新しい魔術「ウィンド」の下位互換になってるし…『舞踏城』>「ウィンド」>「ファイヤージェット」の関係。
多分全員が全属性使えるわけじゃないからこんな感じになってるのかな?
じゃあ気にしなくていいや。
夜ご飯も食べて、お疲れ様でした。お休みなさい。
──────────
「さて、今回の入試だがヤバい奴が二人いる。一人は身分的にヤバくて、もう一人は試験成績的にヤバいやつだ」
「前者は割りとよくある事だし噂を聞く限り性格も成績も良いからそんなに実害はないだろう。問題は後者だ」
「魔術実技で魔術を同時行使するというあの『属性賢者』しかできないことをやらかし。武術実技では試験監督であるセルトス団長に有効打を与えた」
「だが筆記試験で歴史と魔術がかなり低い。これならただの優秀な脳筋ということで落とせば良かったんだがこの受験番号841番、数学が満点なんだ」
「満点!?どういうこと?あのテストには満点阻止のために学会の問題を1題入れたはずよ」
「それを含めて彼女は満点をとった。そして更に、合計点数的に微妙だ。今回の合格基準が581点なのに対して彼女は576だ。しかしこれは実技をどちらも195点とした場合だ。しかし私としてはあの内容なので200点つまり満点をあげてもいいと思っている。ここで皆の意見を仰ごうと思ってね」
…
「やはりそうなったか。まあこの学校の教師に好んでなる人達だからな」
何者かがそう言うとその部屋にいた全員はそれぞれの研究室に帰って行った。そして机の上に残されたメモには
賛成:12 反対:0
と書かれていた。
──────────
一方その頃別の場所では……
──────────
「ほう……『エネステラ』の対処が終わったか。良かったわい、民衆に被害がなくて。久しぶりだなあ、街に直接出るのは。確か15年ぶりだったか?前回は私も王に成り立てだったからな…それに王都に出るとはな…それで今回の『エネステラ』を止めていた人物の名前はなんだ?メルケルト」
「すいません、陛下。名前を確認することを完全に忘れておりました」
「まあよい、其の者特徴は憶えておるだろう?」
「彼女は見た目12、3歳程度で黒髪でした。そして恐らく風属性系統の固有魔術を持っていると推測されます」
「成る程…そのような特徴を持った者を見つけた場合王城まで連れてきて欲しい。 褒美をあげなくてはな。勿論相手方の了承を得てからな。アルカトス、メルケルト、シルクエス、わかったな。後セルトスは…今王立高等学院の入試の採点中か…後で誰かから伝えておけ」
「さて、誰もいなくなったか…アリス、どう思う?」
「……面白い、名前は…ハナ…だと思う」
「それと…多分だけど…風属性の固有魔術は…持ってない…」
「…毎回どうしてわかるんだ…」
「それは…いい、面倒…でもわからない」
「何がわからないんだ?それにアリスでもわからない事があるのか」
「私は…神じゃない…待って、それなら…ハナはおかしい」
「どういう意味だ?後会った事ない人を悪く言うなよ」
「だって…理論上…この子…5日前以前はこの近辺…いや、ここ500km?わからないけど…何処から…?…世界移動?…さすがに違うか…なら……介入?それもない、もし…だから違う。古代、いや…もっと昔?……でも『あれ』がある以上…わからない。まあ、兎に角…そういうこと」
「どういうことだ?」
「…いい、疲れた…どうせ会えるからまたそのとき…いや、大丈夫。私が直接会うから…」
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更に別の場所では…
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「あれバグじゃないの!?あの魔術すり抜けるやつ!」
「違うよナムルカ、あれは私がmp消費を抑えるために創った魔術機構の一つだ…って言ってもその内使えなくなる筈だけど彼女は────を持ってるからな、正確な所はわからん」
「ふ~ん、よくわからないけどいいや。でも他の人にも感染るなら…」
「勿論修正する。まあ私はできないがな。そうだろ?」
『そうだ。私が原因だから私で対処する。恐らく強制的に技能を付与することになるだろうがな…それか────の中に組み込むか』
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彼女が寝てる間に様々な所で議論が起きている…まあその全てが彼女が知らない内に終わっているので本人には届き様がないが…
11/24追記:文章訂正
作者と本編に関するQ&Aと裏事情コーナー
Q1:1日7話投稿してることに関して
A1:ここまでで『一区切り』だから。
この先はゆっくりになる…と思います。
もうあんまり書き貯め残っていませんし。
でもまだ1、2話分は…何でもない。
Q2:自分で使った魔術の影響受けないって本当?
A2:半分本当。でもそんな事がまかり通るのは今だけ。
理由は…またの機会に。
Q3:最後の人達だれ?
A3:本編には当分出てこないので気にしなくていいです。
それに現段階では明かせない設定ですし。
…まあ一つ言うなら『神』ではありません。
裏事情7
『区切り』について。
このコーナーで良く出てくる言葉には『設定上必然』と『区切り』があります。
『設定上必然』は…読んで字の如しなので良いとして。
わかりずらいのは『区切り』の方です。
『区切り』とは、作者側で定めた一つの『テーマ』が終わる地点であり物語中で『何かが変わる』地点です。
なのでこの章は一応ここで『区切』られる訳ですね。
今回のテーマは…っと、流石に言いませんよ。
そもそも主役は花奈だけとは本文中に書かれていません。
つまり、その『区切り』は何も花奈にとって、とは限らず…
……なんて格好付けて見ます。あ、事実ではありますよ?




