A-1◆『天涯孤独の賢者』
諸事情につき、今後の投稿時間を18:00にずらします。
…まあそもそも不定期更新なんですが。
そのため今日は2話投稿です。
といってもこっちはかなり短めですが。
───ふと、目が覚める。
窓から見える太陽の位置と昨日の日付から今の時刻を推定する。
…時間通り。
軽く伸びをしてからいつもの作業に入る。
用意された朝食を取り、積み上がった書類を片付け、昼食を摂取し、貴族達と『交渉』して、夕飯を食べ、軽く仕事をして、睡眠時間になる。
こんな変わらない日を数年以上続けているけれど。
最近、はっきりと自覚していることがある。
私の心は徐々に壊れている。
世間の常識と照らし合わせるならば、私の年齢でこれだけ責任のある仕事を任せられるのは異常であり、そして『名誉』でもあるのだろう。
現に私は1年程前から『天才』だとか『賢者』だとか呼ばれることも増えてきた。
でも、その影に隠れる様にして『弊害』が発生する。
名声や名誉と反比例する様に私個人を見てくれる人は減っていく。
私の仕事の結果や能力に目を向けてくる人はこの数年で大幅に増加した。
でも『私自身』を見てくれる人はいなくなっていく。
私が今でも貴族と『交渉』するのはそんな人を見つけるためでもある。
老練で、狡猾な貴族当主なら私の本心を読んで、判ってくれるのではないかと。
その『弱み』に漬け込まれて交渉が不利に進む、なんてこともあるかもしれない。
でも私はそれを期待していた。
『天才』と褒め称えられた私の『猫被り』を見破る人が出ないかと。
しかしそれは日を追う事に『反証』されていく。
イメシオン公爵が一番『惜しい』ところまで行ったけれど、それでも駄目だった。
もしかしたらこの世界に私を理解してくれる人はいないのだろうか。
自分のステータスに目を向けながらそんなことを考える。
こんなことを考えるのも何回目だろうか。
…態々疑問の体を取らなくても判る。
この事について考えるのは257回目。
そして今までの傾向と心の疲労具合から次、これについて考えるのは明後日。
何も考えずに動ければどんなに楽だろうか。
何も考えずに動くことはどんなに辛いのだろうか。
私はステータスに依然として残り続ける『称号』を見ながら考える。
その答えは256回の試行と同一のものだろう。
私は自分で自分を嘲笑しながら、257回目の試行に入る。
『天涯孤独の賢者』はこうして日常を繰り返す。
【基礎プロフィール】
名前:アリス・フォン・トラウィス
年齢:15
身長:162.1cm
体重:非公開
誕生日:10/24
その他特徴:腰くらいの銀髪、青(水色?)瞳
トラウィス王国第二王女として、周囲からは万能の天才と評されている。若い内から国政を任されるなど何かと負担や苦労の多い人生。
政治の手腕が評価されている一方、魔術研究家としても有名であり、その専門は氷魔術研究家である。
実は固有魔術の属性槍シリーズ、氷だけmp消費がわずかに少なかったりもする。
王族としての威厳が必要な時は威圧感のある口調になるが、日常会話では何を話せばいいか考えるために無口になりがち。
恋愛ごとについては教養としての知識はあるが、実践も練習もない。
……地味に『魔導使いの旅歩き』や『永年美術館管理人』、『霊峰の竜』と言った物語本を出している。




